(303) モンゴル日記(29)

モンゴル日記

モンゴル日記

【ウランバートルの大文字山】

 ウランバートルの南側、立ち並ぶ建物の背後に、写真のようなモザイク模様が描かれている。それは山腹に作られたものだ。定宿「パレスホテル」の8階の部屋からは、両方を望むことができる。

 写真上、山の斜面の肖像は最初の訪問の時から気がついていた。そして、それが説明を受けなくともチンギスハーンだと察した。しかし、社会主義時代にはこうしたチンギスハーンに関する像やモニュメント類は、許されなかったという。だから、これは民主化の進んだ最近のものらしい。

 一方、写真下のこの山腹のデザインは、最近まで何を意味するか分からなかった。なぜか、あの物知りのBさんにも尋ねたことがなかった。しかし、何度か眺めているうちに、ようやく気づく。

 どうやら この模様の上の部分は、モンゴル国旗に描かれているマークそのものと思われる。鮮やかな赤・青・赤の縦じまの、左側の赤地に描かれた黄色いデザインだ。調べたら、それは“ソヨンボ”と呼ばれ、古い時代に作られたモンゴル文字だったらしい。しかし現在では、国を象徴する紋章のような扱いを受けているようだ。

 ただし、その下のタテ3列の模様は見当がつかない。ひょっとしたら、これらもモンゴル文字だろうか?現在はロシア語のアルファベットであるキリル文字を用いて、モンゴル語が読み・書きされている。けれど、もともとモンゴル文字は古くからあったのだ。

 なお、どちらの模様も斜面に白い石が並べられ、描かれているという。

京都の大文字とはだいぶ性格が違うけれど 日々好日、日々感謝。 (K.M)