(350) 浮かぶ斑入り植物

 写真の植物は、ちょっと見では奇妙に感じるかも知れない。けれども 見つめていると、しだいにその奇妙さに美しさが加わり、楽しさすら伝わってくる。水生植物の斑入りホテイアオイである。珍品屋Sさんの、温室内のスイレン鉢に浮かんでいた。

 ふつうのホテイアオイと同じく、ご覧のとおり 葉と”浮き袋”にはつやがある。その”浮き袋”は葉柄が変化したものだという。また 花もふつう種と同様で夏に咲き、うすい青紫だという。暑いなか、この色だから花は悪くはない。

 ところで このホテイアオイ、原産地は南アメリカである。だから、特別な対策をほどこさないと、この辺では冬には枯れてしまう。その点を解決するために、Sさんは温室のストーブのまわりにそれが入った容器をいくつか置いておく。そのやり方で、一部は越冬に成功しているらしい。

 上で触れたが、もともと このホテイアオイは帰化植物であり、夏場の繁殖力が旺盛でもある。とくに暖かい地方では、ため池や沼などの水面を多いつくすほど、大量に増えることがあるようだ。だから、これまでは迷惑がられてきた。しかし近年、この植物の利用も研究されてきているらしい。水質浄化や家畜飼料としてである。変わったところでは、Wikipediaに載っていたが、乾燥させたその繊維でカゴなども作られているという。

水面をプカプカする姿は、何とも魅力的に思えるが・・・。日々好日、日々感謝。 (K.M)