(370) モンゴル日記(85)

モンゴル日記

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【豪邸エリア】

 この国でも、確実に富裕層が生まれつつあるようだ。その象徴が、山の手のいわば豪邸エリアである。

 ウランバートルは四方を低い山や、なだらかな丘陵に囲まれている。その南側丘陵の周辺に、新しく形成されている住宅街は高級住宅ばかりだった。

 写真上はそうしたエリアに建ち、周辺でもっとも目立った邸宅で、その4階の一部とその彼方に見えた昼の半月である。このいわば豪邸、外から眺めた窓の数からして、部屋数は少なくとも十幾つはあろう。

 写真下は、両側にそうした邸宅が立ち並ぶ山の手の風景だ。手前から奥へゆるい下り坂になっている。写真上の4階建ての邸宅は、その中でも豪邸中の豪邸なのだ。3階建ても少なくなくない。ただ 写真左側に停まっているクルマは、ソヨーチ社の社有車でD社長や筆者たちが乗ってきたライトバンである。

 D社長が農場に行く前に用事があるからと、寄ったのがここである。彼の知り合いがこの一角に自宅を建設中で、そこを見にきたようだ。「あなた方も一緒に見よう」と彼がすすめるので、筆者たちも覗いた。部屋の多さやその豪華な造りにため息が出るばかりで、「このあたりの住宅の建設費は、だいたい1㎡あたり4,000米ドル・・・」という説明を聞き、わがアパートのそれと単純に比較をしてみた。筆者の部屋の3倍以上だった。

モンゴル社会の現実をかいま見た思いがした。でも 日々好日、日々感謝。 (K.M)

(369) モンゴル日記(84)

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【合弁会社の温室建設】

 写真は、建設中のフジガーデンの温室である。上は外観で、この正面角の所が出入り口になる。また下は、暖房用の温水をまわすパイプに作業員が塗装をかけている場面だ。この装置がないと、冬場の温度維持がとてもできない。1月には、-30℃以下になることは珍しくないのだ。

 この自前の温室は、フジガーデンのもっとも大切な拠点となる。この900㎡の空間で、球根植物や花木などを栽培するのだ。このような本格栽培はモンゴルでは初めてのことらしい。その建設にあたって、鉄製資材の多くはソヨーチ社の温室を解体・移設し再利用した。全て新品となると、費用は2倍ほどかかる。そのうえオランダからの輸入資材に頼るので、建設が大幅に遅れることになる。それで断念した経緯がある。

 パートナーのソヨーチ社=D社長は、この温室について当初2013年11月中の完成を言っていた。しかし、結果的には1ヶ月ずれ込み、事実上の完成は12月末となった。だから、実際の栽培開始は1月からとなる。

 親友Bさんの話では、そうした事はモンゴルでは珍しくないようだ。筆者が購入したアパートも当初 入居は9月とうたいながら、11月末だったもの。大きな支障が出なければ、それもありと割り切る。いちいちそうした事にいら立ちを覚えていたら、身が持たないだろう。

モンゴル流を経験していくしかない?!・・・でも 日々好日、日々感謝。 (K.M)

(368) モンゴル日記(83)

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【MJパートナーズ 始動 ②】

 写真上は、セレモニー後半に出演したモンゴルの民族音楽のプレイヤーたちである。彼らは民族衣装に身を包み、ステージに上がった。帽子やバックルも、なかなか凝っている。一人が馬頭琴を奏でながら、もう一人がモンゴル民謡(?)を歌う。独特のサウンドである。

 こうした生のモンゴル音楽に接するのは数回目だが、依頼されればこんな風に出張プレイもやるようだ。以前、ホテルで開かれたパーティーでも目にしたことがある。ただし今回は、あの独特の歌唱法である「ホーミー」は聞けなかった。(「ホーミー」についてはWikipediaなど参照を。)

 写真下は式典終了後、稼働をはじめた精米施設をバックに、親友Bさんの奥様から撮影してもらったものである。右からBさんつまりMJパートナーズの社長、新潟クボタの専務Hさん、そして筆者である。この施設は、MJ社の品質管理と販売戦略の面から設置されたものらしい。というのは、新潟から輸入するのは玄米で、こちらで販売するにあたって精米するのだそうだ。

 この昼間のセレモニーの後、晩にはパーティーが催された。もちろん筆者らもお招きを受けていたので、出席させて頂いた。なかなか盛況で、NHKテレビの取材班も駆けつけていた。彼らは近々このMJ社のことを放映する(した?!)ということだった。

ウランバートルでも新潟の米が食える!日々好米、日々感謝。 (K.M)

(367) モンゴル日記(82)

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【MJパートナーズ 始動 ①】

 新潟の優良企業のひとつ=新潟クボタの子会社が、モンゴルで合弁会社を設立した。お相手はモンゴルの有力企業テクニク・インポート社である。その合弁会社=MJパートナーズの事業は、新潟県産のコシヒカリをモンゴルで販売することだ。実は、新潟クボタは筆者の友人Y氏が社長をつとめる。

 この2社は短期間のうちに、合弁会社の設立に至った。とはいえ、その経緯を近くで見ていて、結局は人と人とのご縁があったと思う。振り返ってみると、わが親友Bさんがその仲立ちをしたキーパーソンだった。そして、彼はこのMJパートナーズの社長をまかせられた。彼はテクニク・インポート社の女性社長Gさんとは、仲のよい留学生仲間でもある。

 社名の頭のMJは推察のとおり、MはMONGOLIA、JはJAPANである。そのMJ社のスタートを祝う式典が、関係者 相集い行われた。筆者も、わが合弁会社のパートナーD社長も招かれた。

 写真上はそのステージで、式が始まった場面である。右側の建物が、式典後に稼働を始める精米プラントと事務所が入った社屋。写真下で、マイクを握り挨拶をしている人が新潟クボタのY社長、そのすぐ右側におられる方がモンゴルの担当副大臣、そのまた右側の女性がG社長である。写真左側におられる方は、駐モンゴル日本大使S氏だ。

わがフジガーデンの成功も祈って 日々好日、日々感謝。 (K.M)

(366) モンゴル日記(81)

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【レストラン「カリフォルニア」】

 ’70年代、アメリカで大ヒットした「ホテル・カリフォルニア」という曲があった。しかし、ここはレストラン「カリフォルニア」である。この店にはときどき行く。料理は幅ひろく、西洋風スタンダードからモンゴル料理的なものまである。まぁ味の方も無難なせいか、いつ行ってもお客は多い。欧米人らしき人々もよく見かける。また最近では、写真上のようにSushiもある。

 さて そのSushiメニュー、ちょっと覗いてみると、想像力をかきたてるような名前がいくつか載っていた。傑作だったのは〝スパイシー・サムライ・ロール〟である。いったいどんなスシやねん、刀で斬られるような味かいな?!ネタはツナにアボガド,キュウリ,ネギなどがのっかっているらしい。けれど、いまだに食べる気は起きない。

 さて写真下は、筆者が行くとたいてい注文するMISO GLAZED SALMONである。少し甘い味付けなのだが、数少ない魚料理である。まぁ悪くない。

 先日 T嬢と昼食に行ったとき、今までメニューになかった和食風の料理を発見した。もちろん食べてみた。それはSOY MARINATED TOFUである。ちょっと不思議な味だったが、なんとか食えた。

 最近、回る寿司の2号店がオープンしたと聞く。今度はそこに行ってみなくては・・・。

ウランバートルで和食風な料理が増えて 日々好日、日々ごちそうさん。 (K.M)

(365) モンゴル日記(80)

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【ウランバートルの冬の月】

 写真は、筆者の部屋から撮影した三日月である。下の光の点線は車列だ。

 この晩、鬱々としていた。部屋でテレビもつけずに、缶ビールを一人で飲っていた。昼間のいくつかの出来事、これから先のことを思い浮かべ、悶々としていた。それが消えたり、浮かんだり。そのうち、例の「哲学的疑問」も久しぶりに襲ってきた。・・・おれはどうして今、ここにいるんだろう?だいたい、なぜモンゴルか?・・・還暦になっても、こんな気持ちになる時があるんだなァ・・・。

 どうしようもない意識のこうした悪循環が、らせん状に大脳を上下する。ビールの空き缶が増えていく。そんな時、何気なく窓の外に目をやる。・・・おーっ、何とも美しく神々しい三日月が!!

 ・・・この夜空の中ほどに境目があり、上半分は月を含む天空世界、下半分は照明と喧騒あふれるシャバ世界。モンゴルであれ日本であれ、人はときどき天空世界に心を通わせないと、きっと心が持たないのではないか。下界を照らす月は、そのためには最良の天体かもしれない・・・。

 そのままボケーッと眺めていた。やがて気持ちが落ち着いてくる・・・。

 そう言えば、合弁会社のパートナーD社長が、遠方に行くときは必ず双眼鏡を持っていく。そして、その地で月を見上げる。どうも彼も、月を眺めるのが好きらしい。

酔いも深まってきた、さぁ寝るとしよう。 日々好月、日々感謝。 (K.M)