(394) モンゴル日記(109)

モンゴル日記 モンゴル日記

【フジガーデンの売り場】

 写真の左・右は同じ場所を撮影したものである。ソヨーチ・ガーデンセンターのなか、入り口近くの一区画で、条件は悪くない。面積は約30㎡、フジガーデンの売り場となる場所である。ここが待望の自前店舗となるのだ。

 写真左は先月上旬の様子で、まだ何も整っていない状態のところ。けれど、右は今月中旬の風景である。なんと臨時に靴屋さんが店開きをしたのだ。その事はパートナーであるD社長から直前に聞かされた。市中心部にある同社の所有ビル=フラワーセンターが改修工事に入り、そこに入居していたテナントの一つらしい。そちらに短期間、貸すのだという。反対する理由がないから、了解した。

 と言うのは、こちらも売り場のオープンは諸般の事情で当初予定を3ヶ月遅らすことにした。つまり、正式オープンは7月に入る。だから、D社長の提案もしょうがないと考えた。まァ、しっかりしたD社長のことだから、貸し賃はきちんと貰うと言っていた。それはフジガーデンの収入となる。

 ところで、このソヨーチ・ガーデンセンターは度々、店内の模様替えをする。そして品目の入れ替えをすることも少なくない。それはおそらくD社長の考えだろう。ちょっとビックリしたのは、このフジガーデン売り場の右隣には、淡水魚を扱うフィッシュ・ショップがすでに開店していることだ。

いよいよ常設売り場を持つことに・・・。日々好日、日々感謝。 (K.M)

(393) モンゴル日記(108)

 

【 道路の風景 】

 写真左は車間距離のなさを示す場面だ。この場合、白い車と赤い車の間隔は30cmもなかったと思う。「よく擦らないなァ,接触しないなァ」と、妙な感心をしてしまう。

 こんな場面をときどき目撃したり、クルマ同士の譲り合いなどほとんど見たことがないこと。またドライバーは結構スピードを出すこと。それに歩行者の〝どこでも横断,いつでも横断〟があること。そして、日本と異なる車両の右側通行であること。こうしたことから筆者などは、「この国では運転できない!」と思う。

 でも、社員のT嬢はクルマを果敢に乗りこなす。ある種、腹のすわった運転ぶりで、同乗するこちらがヒヤッと感じることも少なくない。ときどき信号のない交差点で車列に入る時など、右手をあげモンゴル語で何か言いながらニコッとしてサッと合流する。このニコッ,サッが大事なのだ。

 ところで写真右は、霊柩車だった。たぶん日本から輸入したものだというが、ちょっと驚いた。こうした車種も輸入しているのか?!これに関連して、モンゴルの葬式事情についてT嬢に尋ねた。

 それによれば、モンゴルではまだ土葬が多いこと。またウランバートルでは、10年前に火葬施設が完成したというが、それを利用する人はまだまだ少ないらしい。この霊柩車は土葬の場合にも利用するのだろうか?

日本列島がある東南の方角を向いて、ときどき礼拝、ときどき感謝。 (K.M)

(392) モンゴル日記(107)

 

【大通りの風景】

 写真左は「キョクシュー・タワー」である。お分かりかも知れないが、かつて日本の大相撲で活躍した、あの旭鷲山の所有するビルだ。昨年の国会議員選挙では落選したようだが、いろいろな事業を手がけているらしい。不動産業,建設業,ホテルそれにカラオケなども経営しているという。

 このビルはアパートと農場を行ったり来たりする際、ときどき通る幹線道路沿いにある。周りのビルに比べてひときわ大きいという訳ではないが、通りに面していて少し変わったデザインなので目立つ。

 大相撲出身者でいうと、朝青龍はすでに2度、間近で見ている。そのうち親友B氏と一緒だった時には会話を交わし、写真にも納まってもらった。その際、日本のマスコミで一時たたかれたような悪印象はまったく抱かなかった。しかし、どうでもいいことだが、旭鷲山はまだ1回も見たことがない。

 ところで、写真右はモスクである。イスラム教の礼拝堂だ。これが「キョクシュー・タワー」と同じ道路沿いに建っている。初めて見たときは、ちょっと驚いた。モンゴルにイスラム教の建築物が・・・と。けれど 何度もその前を通るうちに、どうやらこのモスクは建築途中で完成には至っていないことが分かった。Bさんに尋ねたらそのとおりで、完成しないままになっているという。何か事情があったのだろう。

いろんなことを想像させる大通りではある。日々好日、日々感謝。 (K.M)

(391) モンゴル日記(106)

 

【 ボケ 】

 これまではこちらで売れなかった花について述べてきた。しかし それと反対に、たいへん好評を博した花ももちろんあった。今回、その代表がボケである。

 写真左は新潟~インチョン~ウランバートルと空路で運ばれたボケ苗を、温室でプラ鉢に植え込んでいる場面だ。到着した苗で蕾が落ちたものが多少あったが、幸い枯れたものは1本も無かった。

 作業員は現地の作業員、ではなく実は筆者である。少し説明したい。これらのボケは盆栽のように剪定で木姿をつくっている。だから一応、木ごとに正面がある。けれど 従業員の人たちは、当然なのだが、その正面がよく分からない。また 彼らは、木を鉢の中央にちゃんと植えるということにも慣れていなかった。これもしょうがない事なのだ、今まで教わっていないのだから。

 それでやむなく筆者自ら植え込むことにした。そして、250本全部を2日間かけて植えおわった。それから11日後。毎日2回ほど霧吹きをしてもらい開花を早めながら、蕾が開いてきた姿が写真右である。

 これらは「ボンサイ・ボケ」と名づけて店頭に並べた。このネーミングは結果的には良かった。ただ日本なら写真右のような状態なら、お客さんはもう買ってくれるものだ。けれど、こちらのお客さんは違った。もっと花開いたり、蕾がもっと色づくまで、ほとんど手を出さなかった。

ボケは希望の☆となってくれた。日々好日、日々感謝。 (K.M)

(390) モンゴル日記(105)

 

【クリスマスローズ】

 実は大外れはもう一つあった。あの変わり咲きチューリップのほかに、売れ行きが極端に悪かったのがクリスマスローズである。新潟から大量に輸入したが、売れたのは十数本でしかなかった! 大半が残った。それが写真右である。

 写真左は空港から温室に着いた時の苗である。箱から出して、枯れたモノや傷んだ苗を除いて、植えつけ前に広げた様子だ。結果的には枯れはひとケタ。まァ良しとしなければ・・・と安心したのだが。

 思えば新潟での根洗いと、その後に根をピートモスで包む作業が2月17,18日とかかった。植物検疫が19日。それを無事に通過して、モンゴル側の輸入許可が出るまで1週間ほどかかる。それが順調にいっても、今度はこれを航空貨物として、新潟空港から載せるフライト待ち。検疫が終わってから実際の飛行機積込みまでの10日間前後は、農場の小型冷蔵庫に保管しておくしかない。簡単ではないのだ。それでも枯れが10本以下だったのは幸運だった。

 ところで 2年前に行なった3月8日の「婦人デー」の展示即売会。そこでクリスマスローズをはじめて出展してみた。その際、売れ行きは良くなかったが、多くの女性たちが足を止めて眺めていた。それで「これはイケるかも・・・」と、再度の試験販売もせずに決行したのが悪かった。

なぜ売れなかったのか?その理由がしだいに分かってきた。 日々後悔、日々反省。 (K.M)

(389) モンゴル日記(104)

 

【 チューリップ栽培④ 】

 10,000個の球根をオランダからモンゴルに輸入して、それを温室で育てる。そして 商品になったチューリップを販売する。初めての事業としては、栽培段階までは60点くらいの出来だったろうか。

 輸入時のトラブル、栽培段階でのさまざまな障害や問題の発生。しかし、商品として仕上がった割合は90%くらいには達しただろう。

  そして 販売にまでこぎ着けた。現金を稼ぎ出す源である。ところが、これがハードルだった。いま考えれば、当たり前のことだ。日本で受けるモノが、こちらで受け入れられるとは限らない。

 チューリップの販売にあたっては、開きはじめたものを順番に店頭に並べた。モンゴルのお客さんは買ってくれるだろうか?それが外れる場合もあり、今回はその大外れがひとつあった。

 写真左、パーロット咲きというタイプがそれだった。全く売れなかった。このタイプは、花弁がきれいに重なるチューリップらしい花ではない。花弁の先が縮んだり裂け目ができ、他のチューリップのように端正に咲かない。いわゆる変わり咲きだ。しまいに農場の人たちに、欲しかったら自分で切って持ち帰ってもよいと伝えたが、誰一人そうしなかった。

 写真右は、それによるストレスなどが溜まった時期の産物である。ロング缶のビールが一晩に3本以上は空になった。

ジンセイはパーロット咲きのような時もある?! 日々好日、日々感謝。 (K.M)