(405) モンゴル日記(120)

 

【北京だより ⑧】

 北京を訪れたのは十数年ぶり。その間に、この国は急速に経済成長を遂げた。だから、この巨大都市の風景や人々の暮らしぶりが変貌していて、とても驚いた。とくに車窓から眺めていると、その景観の変わりようには別の都市を訪れたのではないか、とすら思った。

 中でも道路沿いの街路樹には感心した。写真左側の中央分離帯には、バラが植栽されていたのだ。それもピンク,黄色,白といった花色のものが混植され、手入れも良さそうで美しい帯を形成していた。延々と数kmにも及ぶ区間もあり、見事だった。まァ、日本では見た記憶がない。

 もちろん中央分離帯ばかりではない。それ以外の道路敷地内も整然と植栽がほどこされていた。樹種は多様だった。高木ならエンジュ,イチョウ,マツ,プラタナス、中木ではザクロ,モミジ,ウメ,モモなどが植栽されていた。また低木はマサキ,ツゲ,ヤマブキなどに混じって、ギボウシ,ヘメロカリス,タチアオイなどといった宿根草類も見られた。ひょっとしたら都市の道路緑化という点からは、日本より進んでいるのではないか、とさえ思えた。

 ところで写真右は、北京市の中心区域に入ったあたりなのだろう。林立といってもいいほど、こうしたビル群があちこちに建っていた。これはタクシーの車窓から撮影したものだ。

共産党支配のもと、この国の発展ぶりをどう捉えたらいいのだろう・・・。日々好日、日々不思議。 (K.M)