(411) モンゴル日記(126)

【北京だより ⑭】

 天壇公園で目にした楽器演奏の人々である。園内で出会った唯一の音楽関係者たちだった。そして吹いていた楽器が興味深かった。それは「ヒョウタンの笛」だったのだ。

 吹いていたメロディは明るい感じのものだった。けれど、音色自体は少しわびしいというか、もの悲しいように筆者には響いた。楽器の持つ宿命的な音色なのだろうか。興味深かったので、しばらく耳を傾けていた。

 帰ってからこの楽器のことをインターネットで調べてみた。いくつか関係の記事が載っていたが、中にはその音色まで聞かせる解説もある。

 ところで、このヒョウタン笛は中国の少数民族であるタイ族やイ族などの民族楽器なのだという。名前は「葫蘆絲 ふるす」というらしい。葫蘆はヒョウタンを、また絲は細長い物をさすのだそうだ。

 構造的には小さなヒョウタンを共鳴装置にし、3本の長さの異なる竹の管を並べてヒョウタンのなかに挿しこんである。その竹の管の下端に、金属のリード(と言うべきか?)が取り付けられている。音を出すのは容易らしいが、吹く力によってちゃんとした音が出る,出ないがあるらしい。

 ある解説によれば、最近になって北京や上海でこの楽器の人気が高まっているという。かの国においても民族文化や伝統への再評価という傾向でもあるのだろうか・・・。

天壇ではいろんなモノ,コト,ヒトに出会った。北京でも 日々好日、日々感謝。 (K.M)