(418) モンゴル日記(133)

モンゴル日記

【 鳩の飛来 】

 久しぶりに〝鳥〟をテーマに書く。

 ある時、部屋のベランダに一羽の鳩が飛んで来た。それは突然のことで、ビックリした。このマンションで生活をスタートさせて、初めての出来事だ。

 だから 飛んで来た時は、思わず「おおっ!」と、声をあげた。それもモンゴル時間で言えば、午後7時半頃のことである。その時、「よく来てくれたモンゴルコバトよ、疲れた日本人のもとへ・・・」と、話しかけたい心境だった。

 栽培上の問題や経営に関するパートナーとの意見の相違など、少しばかり憂鬱な気分に陥っていた時だった。だから、こうして彼(彼女?)が来てくれた時は、ポッと心に明かりが灯ったようだった。

 たしかアグネスチャンが書いていたと思うが、香港から親類を呼んで浅草寺へ連れていったら、あたりの鳩を捕まえようとしたという。食材としてである。筆者はふつうの日本人だから、そんなマネは絶対しない。けれど、飛来した鳩には「糞だけはベランダに落とさんでくれ。それなら時々は来てもいいぞ」と、虫のいい,イヤ鳥のいいお願いはした。

 帰国してから、久しぶりに鳥博士に判定をお願いした。ハトは日本で一般的な種類のドバトということだった。ところで ハトで思い出したが、モンゴルの大統領でオチルバトという人物がいた。落ちるどころか、2度も大統領をつとめた政治家だ。

このハトの飛来にはちょっと感激した。日々好日、日々感謝。 (K.M)

(417) モンゴル日記(132)

モンゴル日記 モンゴル日記

【 短い夏の商戦 】

 写真は初夏の「ソヨーチ」の様子である。そこはパートナーのD社長が経営する、モンゴルで唯一のガーデンセンターだ。この店はこれまで何度かとり上げている。

 写真左は入り口前に並べられたペチュニアやマリーゴールドである。6月から8月にかけて、こうした一年草の花苗の売り時なのだ。ソヨーチ社では基本的に、こうした一年草は自社生産をする。農場で播種から仕上げ苗育成まで行い、このガーデンセンターで販売する。

 最近は、ウランバートル市の草花植栽の事業にも花苗を供給している。だから、その総数は何十万本にものぼるようだ。今年は40万本も栽培したという。

 近頃ここに来るお客さんは、こうした一年草を10本,20本という単位で買っていく傾向があるという。そして 彼らは大鉢やプランターを買い求め、それらの苗を植えて身近な場所に飾るらしい。きっと気温が下がってくる9月後半までは楽しめるだろう。

 ところで 写真右は野菜苗である。ひょっとして、この販売企画は日本から持ち帰ったアイデアではなかろうか。なぜなら昨年 D社長が来日した折に、千葉ニュータウンにある大手ホームセンターに立ち寄った。その際、野菜苗の売り場を、メモを取りながら熱心に眺めていたのだ。さらに帰国する際も、再びそこに寄ったらしい。

パートナーの着眼点と、物事を実行するスピードは大したものだと思う。日々観察、日々勉強。 (K.M)

(416) モンゴル日記(131)

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【 バスの立往生 】

 社員のT嬢を連れて、街なかで用事をたした。その後、昼食をとろうと二人で日本食レストランに入る。通された席は窓ぎわで、道路が見下ろせた。そして、渋滞のなかで動かないトロリーバスを発見!

 それはともかく、筆者は刺身定食を、彼女はカツ丼を頼んだ。何だかイメージが逆のような気もしたが・・・。それで引きつづき、そのバスを眺めていた。どうやら故障らしい。すると写真左のように、運転手らしき人物がバス後部の屋根に上りついた。そして 屋根に装着されて電気を伝える、あの2本のサオ(トロリーポールというらしい)をしばらくいじっていた。

 その後、彼は2本のトロリーポールにロープを取りつけて、道路に下りた。今度はその取りつけた2本のロープを操り、そのポールを上下・左右に引っぱる(写真右)。そのうち、2本のポールをうまく架線に接触させた。なかなか巧みで、手慣れているようだった。

 その間、10分ほどだったろうか。見ると、まわりのクルマもあまり動いていない。つまり、それほど渋滞がひどいのだ。それからだいぶ経って、オーダーした料理がやっと出てきた。

 ところで トロリーバスは日本ではふつう見られない。しかし、旧社会主義国や欧米でもときどき見かける。ハバロフスクやウラジオストックでも走っていた。

トロリーバスはCO2を出さないが、渋滞の原因ともなるようだ。日々渋滞、日々イライラ。 (K.M)

(415) モンゴル日記(130)

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【日本語の入った中古車 】

 写真はいずれも日本から輸入された中古車で、ウランバートル市内を走っている。ハバロフスクなどでも、こうした自動車は時々目にした。また、かつての中国でもこんなクルマが走っていたと記憶する。

 日本語で社名や商品が書かれ、それが消されていない。街なかでこうしたクルマに遭遇すると、思わず「おおっ」と、その車体に注目してしまう。

 ちょっと興味を覚えたので、クルマに記された社名をインターネットで検索してみる。1社は探せたが、もう1社は出て来なかった。何か事情があったのだろう。今の時代、当社でさえホームページは開設している。だから、その企業の運命に関して、何やらさみしい想像をしてしまう。

 今年に入って、日本からの中古車で変わったクルマを目にした。それは、たしか川崎市の名前が入ったゴミ収集車だった。「へーッ」、どんな経緯でウランバートルまで送られて来たんだろう。

 ところで 新潟港からも毎月、モンゴル向けに日本の中古車が送られている。ただし今年に入ってからは、モンゴルの不景気もあって減っているらしいが。

 実はわがフジガーデンも、9月に中古のライトバンを買った。そして、それを新潟東港からモンゴル向けに積み込んだ。まもなくウランバートルに到着するだろう。今まで会社の車が無かったから、待望の〝足〟なのだ。

やっと温室・売り場・クルマがそろう!日々好日、日々感謝。 (K.M)

(414) モンゴル日記(129)

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【車窓からの風景】

 写真は2枚ともクルマからの眺めである。筆者がアパートと農場を行き来するとき、ときどき通る道路からの風景だ。そのうち写真左は渋滞のようすを撮ったものではない。正面奥の「ゲル地区」を遠望したものである。

 ウランバートルで「ゲル地区」というと、市街地の外側に形成された低所得者層が住むエリアをさす。彼らは市の中心部に建つアパートやマンションに住まず(住めず)、その周辺で暮らしている。そうしたことから、ゲル地区はさまざまな点で解決すべき問題を抱えているようだ。

 異国の人間にも理解しやすいのは、冬のスモッグである。ウランバートルはもともと地形的に盆地の都市であり、風もあまり吹かない。そこに近年は火力発電所の排煙、急増するクルマの排気ガス、それにゲル地区で暖房用に使われる大量の石炭の煙、これらが冬に発生するスモッグの主な原因と言われている。たしかに近ごろは、冬の晴天日でも昼間にきれいな青空が望める日が少ない。

 一方、写真右は十字架が描かれたキリスト教の教会だ。時々この前を通るが、ここに自動車がいっぱい止まっているのを見たことがない。推測だが、おそらくモンゴル国内ではキリスト教徒はひじょうに少ないのではなかろうか。だいたいウランバートル市内では、ここ以外に教会はお目にかかったことがない。

この道沿いには、あの「キョクシュー・タワー」もある。日々好日、日々感謝。 (K.M)

(413) モンゴル日記(128)

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【 ナラントール・ザハ 】

 写真はウランバートルで一番デカい、つまりモンゴルで最大の市場 ナラントール・ザハで撮ったものだ。ザハというのはモンゴル語で市場を意味する。

 とにかく広い。敷地全体の面積はひょっとして1ha以上はあるかも知れない。写真左のように通路はあるが、その両側にびっしりと露店が張りついている。その店頭には、ところ狭しと商品が置かれている。

 市場といっても蚤の市のようなものだ。けれど、その店頭には生鮮食料品以外の、生活に必要なありとあらゆる商品が並んでいる。日用雑貨から各種の乾物まで、無いものはない。馬具まである。

 ここに来る時はいつも、日本語ができる従業員T嬢に連れて来てもらう。もう、3,4回は訪れているだろう。この時は、植え付け用ポットなどを求めてここに来た。もちろん中国製ではあった。

 さて 右の写真である。茶色のバッグは、筆者がふだん持ち歩くものである。この時ももちろん持って来た。ただバッグの閉め口は見える方、つまり前に持ってくるのがポイントだ。なぜなら T嬢はいつもこう注意する。「ここに来たらスリに気をつけてください。カバンは手に下げず、抱えるようにするか、女性がするように肘にかけてください。そして、チャックを締めた口は必ず前に持ってきてください」と。なるほど・・・。

ザハは仕事ではなく、探検に行くと面白そうな場所だ。日々好日、日々感謝。 (K.M)