(464) モンゴル日記(179)

【 ウランバートルのいま 】

 こういう景観は〝ウランバートルのいま〟を表している。山々に囲まれた地理的環境と、現在この都市で進行しつつある現象を示している。

 6年前にはじめてウランバートルを訪れた。当時はまだ車が多くなく、道路の混雑ぶりも現在ほどではなかった。それが今や、急増した車の排気ガスは冬場のスモッグの原因の一つと見なされている。そして ウイークデーの交通渋滞はひどく、目的地への時刻がなかなか読めない。だから、行政は自動車の市中心部への乗り入れを規制している。

 ところで 前方奥のモンゴルらしい山々も、かつては山すそまでハッキリと見とおせた。あの辺りにはまだ建物などがほとんどなくて、スッキリしていた。

 けれども 筆者はこうしたウランバートルの急激な変化を、ただ嘆いているわけではない。観光客ならそうかも知れない。しかし、今は1年のうち何分の一かはこの地で暮らす。ここでの合弁事業に携わり、半生活者として暮らしてみると、嘆くより理解することの方が多いかも知れない。

 そして、むちゃくちゃな面もあるにせよ、この都市が持っている活気,活力はうらやましく思う。少子高齢化とか過疎化とか、ここではほとんど関係ない。また、人間のたくましさや厚かましさにもたびたび接する。たまに他人への気配りは弱点か、などと思ったりすることすらある。

でもウランバートルでの生活は 日々好日、日々感謝。 (K.M)