(472) モンゴル日記(187)

【 プラグ苗の販売② 】

 

 前回 述べたが、ソヨーチ社のプラグ苗事業は野菜から始まった。そのせいか花苗に比べると、野菜苗は種類が多い。プラグ苗を中心にした売り場には、葉物からトマトまで(これはプラグではないが)6,7種類が並べられていた。

 こちらも売れ行きは悪くないようだった。それに花苗,野菜苗を問わず、プラグ苗を買ったお客さんの多くは関連する資材も買っていく。用土,プランターなどである。この辺もD社長はたぶん想定していたのだろう。

 それに今回、びっくりした事があった!右の写真で、子供が手に取って読んでいる本である。すべてモンゴル語なので、内容は理解できなかった。けれど写真が多かったので、野菜の栽培手引書らしいことは分かった。

 そこで、プラグ苗の所にいた店員さんに聞く。「この本は栽培手引書のようだけれど、どういう本なの?」「あっ、これはうちの社長が書いた本です」。?!…その後、ご本人から詳しいことを知らされた。原本はオランダの本で、それをモンゴル語に翻訳したのがD社長だという。それに、こちらでの出版事業にも関わったらしい。

 まァ,詳細は問うまい。しっかりした装丁で、掲載した写真もきれいで豊富だ。こりゃ,よく考えられた販促グッズだ!そうした率直な感想を話すと、彼はサイン入りでその本をくれた。

わがパートナーのD社長は、なかなかの事業家である。日々好日、日々感謝。 (K.M)

 

(471) モンゴル日記(186)

【 プラグ苗の販売① 】

 

 合弁会社のパートナー=D社長はやり手である。以前にも書いたが、物事の実行力とそのスピードが大したものだ。今回ご紹介するガーデンセンターでのプラグ苗販売も、今のところ他社では行っていない。だから たぶんモンゴル初ということだろう。この戦略、D社長が企画・実施したものだ。

 2枚の写真とも、そのプラグ苗(セル苗)の店頭販売のようすである。これらは自社の農場で育てた苗だ。一年草草花で、写真左はマリーゴールド、右はパンジーである。

 次号で紹介するが、野菜のプラグ苗もやっている。もともとは野菜の方が先だった。やり出したのは一昨年から。こうしたプラグ苗販売は、日本では定着している。そして、日本での販売先は主に生産者だろう。けれど、このソヨーチ・ガーデンセンターでは一般消費者向けなのだ。

 この国では今のところ、草花でも野菜でも「生産者」と呼べる人々が育っていないように思える。気候の問題,市場の大きさや性格など様々な事情から、モンゴルで「生産者」が成立するのかどうか。その点からして分からない。だから D社長は、この企画をたぶん試験的にスタートさせたのだろう。

 幸い、売れ行きはこの時点(5月前半)では好調だったという。ただお客さんたちの行動を見ていると、ケース単位で買っていく人たちは稀なようだ。

とは言っても、D社長は優れた経営者だと思う。日々好日、日々感謝。 (K.M)

(470) モンゴル日記(185)

【 店頭の百均商品 】

 

 最近、親友のB氏が話してくれた。「ウランバートルでもダイソーのようなお店ができましたよ」。「本当?」「見に行きますか、シャチョー?」「ぜひ見てみたいですね」。

 ということで、街の中心部にある件の店へ見学に。写真左はその入り口付近のようす。また店内には、カメラを目立たないようにして持ち込んだ。最近はウランバートルの店舗でも、撮影はNO!という所も増えてきた。それで右の写真は失礼ながら、見つからないように店内風景をすばやく撮ったものだ。よく観察すると、あちこちに日本語の文字が確認できる。

 店内に並べられた商品は、たしかに大半が日本製である。それらの価格は日本円でいうと、1個200円から300円くらい。これらは日本では100円均一商品だろう。たまに400円前後の値札がついたものも見える。

 商品を見てまわって、店を出てからB氏に聞いた。「日本の100円ショップが、出資などで関わっているんでしょうかね?」「いや,そこまで仕組みができていないと思います。それより、日本でこれらを大量に買い付ける業者がいて、ひょっとしたらモンゴル人かも知れませんが、それをモンゴルに輸出して、その品物をこうした店が仕入れているんじゃないでしょうか。まだ、日本のような流通のしくみはできていないのでは・・・」。

実際の流通システムはどうなっているんだろう? 日々好日、日々感謝。 (K.M)

(469) モンゴル日記(184)

【 店内の雀 】

 

 ソヨーチ・ガーデンセンターの店内には野鳥がいる。スズメのようだが、別に飼っているわけではない。けれど、いつも店のどこかにいる。現在のところ、2羽は確認済みだ。店員やお客さんたちも、彼らの存在を別に気にしていない様子。

 けれど 筆者はちょっと興味を抱き、そこにいて時間があれば彼らを探す。冬それも1月ならば、屋外は昼間でも-20℃以下だろう。彼らにとってはやはりキツイと思う。だから その事だけでも助かっているだろう。それに冬以外の季節なら、問題はない。暑い時期に日かげになる所も少なくない。それにここでは他の動物に襲われたり、人間にいじめられることがないから、居心地は良かろう。

 あとは彼らのエサの問題である。しかし これは店内にある食堂で、彼らの姿を目撃して理解した。昼頃になると、この食堂には従業員を含め、お客さんが詰めかける。ある時、T嬢とここで昼食をとっていた。忙しい場合には食堂の人も、食べ終わった皿を引くことが後になる。それで食べ残しが、テーブルに置かれたままになることがある。そこに2羽がサーッと飛んで来る。でも 彼らのことを誰も気にとめない。追っ払おうともしない。だから ここは食・住そろっているのだ。

 正確を期すために、帰国後いつもの鳥博士=K氏にお尋ねした。スズメで間違いなかった。

このスズメたち、やはり痩せてはいない。日々好日、日々感謝。 (K.M)

(468) モンゴル日記(183)

【 トラックの積み荷 】

 

 ウランバートルではときどき「大丈夫かいな!」と、思わせるトラックを見かける。写真左のような積み荷の風景である。あまりにも大量に物資を積み、その積み方も不十分で荷が崩れないのかと思わず心配してしまう。

 このトラックは一応まともに、あて木や荷を締めるベルトを使ってはいる。しかし この高さである。日本ではまァ見かけない。それに道路のへこみや凸凹があると、荷物がユーサユサッと上部の方を中心に大きく左右に揺れた。面白かったのはこの積み荷が全部キムチなのだ。すごい量である!

 運転していたT嬢に話しかけた。「もし、この荷が崩れたらドサクサに紛れて一箱くらいもらって行こうよ。」「その前に事故になりますよ。ヘンなことを考えるんですね、カタオカさんは。危ないから、すぐ追い越しますよ。」彼女は相手にしなかった。やはりユウシュウな社員なのだ。ともあれ箱にハングルが見えたから、たぶん韓国製だったのだろう。

 さて写真右側である。こちらの方は荷台のアオリも高く、そう心配させる様子はなかった。ただこれはたまたま、写真左の“キムチ・トラック”の翌日に目撃したものだった。T嬢の推測でも筆者の見方でも、これらは何か食品の入った袋だろうということだった。小麦粉か何かの粉製品だったろうか。

積み方はともかく、人々の暮らしがかいま見えてくる積荷ではある。日々好日、日々感謝。 (K.M)

(467) モンゴル日記(182)

【 停電と月 】

 

 ウランバートルではときどき停電がある。けれど、これまでいずれも長いものではなかった。しかしこの日、早朝からの停電は2時間以上も続いた。写真はその時のものだ。

 写真左はろうそくの灯りで室内を照らしている場面。「停電は時々あります。だから、ろうそくは必ず買っておいた方がいいですよ」と、社員のT嬢から言われていた。それで前回来たときに、ライターともども買っておいた。それが早くも役立った。だいたい停電なんて、皆さんご承知の通り、今の日本ではよほどの事がなければ起きないのだが。

 最初「どうせいつものように、すぐ復旧するだろう」、くらいに考えていた。が、この朝は違った。1時間たっても回復しない。さらに30分過ぎてもダメ。もし ずーっと停電が続いたら、バスルームにろうそくを持ち込んでシャワーを浴びるしかないな・・・。そんな事も考えた。

 結局この朝は、2時間以上たっても復旧しなかった。それなら、このいっときの暗闇を楽しもう、と頭を切り替えた。たまになら、こんな雰囲気も悪くはない。ろうそくの火が壁のタイルに反射して、その模様を浮かび上がらせた。何となく風情が漂い、悪くない。

 そして 外に目をやると、満月を過ぎてはいたが、月が南西の空にまだ残っていた。デジカメを持ってアパートの玄関に出て見上げた。良い月だった。(写真右)

朝は闇、けれどやっぱり 日々好日、日々感謝。 (K.M)