(467) モンゴル日記(182)

【 停電と月 】

 

 ウランバートルではときどき停電がある。けれど、これまでいずれも長いものではなかった。しかしこの日、早朝からの停電は2時間以上も続いた。写真はその時のものだ。

 写真左はろうそくの灯りで室内を照らしている場面。「停電は時々あります。だから、ろうそくは必ず買っておいた方がいいですよ」と、社員のT嬢から言われていた。それで前回来たときに、ライターともども買っておいた。それが早くも役立った。だいたい停電なんて、皆さんご承知の通り、今の日本ではよほどの事がなければ起きないのだが。

 最初「どうせいつものように、すぐ復旧するだろう」、くらいに考えていた。が、この朝は違った。1時間たっても回復しない。さらに30分過ぎてもダメ。もし ずーっと停電が続いたら、バスルームにろうそくを持ち込んでシャワーを浴びるしかないな・・・。そんな事も考えた。

 結局この朝は、2時間以上たっても復旧しなかった。それなら、このいっときの暗闇を楽しもう、と頭を切り替えた。たまになら、こんな雰囲気も悪くはない。ろうそくの火が壁のタイルに反射して、その模様を浮かび上がらせた。何となく風情が漂い、悪くない。

 そして 外に目をやると、満月を過ぎてはいたが、月が南西の空にまだ残っていた。デジカメを持ってアパートの玄関に出て見上げた。良い月だった。(写真右)

朝は闇、けれどやっぱり 日々好日、日々感謝。 (K.M)