(594) モンゴル日記(309)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて57 】

北モンゴル最奥部を訪ねて57

 真っ暗闇の中を進んだ。写真前方の赤い点はBa氏のランド・クルーザーの後部ライト。

 やがて湖の北端に注ぐ川に出る。そこには橋がかかっていて、鉄製のがっしりした造りだった。しかし何と,橋の向こう側にはゲートがあり、閉まっていた。その脇にはうす明かりのついた小屋があった。門番が詰めているのだ。

 「シャチョー,もし門番から何か聞かれても喋らないでください。」「?!」訳が分からない。何やらスパイ映画のようだったが、その通りにした。・・・ロシア国境が近いせいか?

 ゲートは開けてもらい、皆が無事 渡った。門番からは質問も受けなかった。そうして4台は湖 東岸の闇のなかを走り続けた。ところが・・・

 まもなく急な上り坂にぶち当たった!その勾配はかなりの角度だったが、それに加え,坂道が長く10m以上はあったろう。それでも隊長Ba氏の”ランクル”はたくましく上って行った。しかし,次に続くわがXトレイルは登坂を3,4回試みた。しまいに筆者も降りて、後ろを押したりした。「おっ!」上れないどころか滑ってきた。

 それでXトレイル以下3台はここの登坂を断念。迂回路を通って、”ランクル”が上りついた尾根の先で合流することになった。Ba氏はその迂回ルートも知っているらしく、Xトレイルに乗り込んだ。

 真夜中の山中行軍では気持ちに余裕なし,写真に余裕なし。で,この1枚だけ!(K.M)