(631) モンゴル日記(346)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて94 】

 少し目を凝らさないと、地面と見分けがつきにくい。上・下ともあの飛行バッタの写真である。ただし上のヤツは地面のような体色、下は草に近い緑色を帯びていた。どちらも体長は数センチだが、彼らはいったん飛ぶと数百mも飛翔することがある。このことは以前にも述べた。

 ところでこのツーリストキャンプの周辺には、この飛行バッタたちが何種類も棲息していたように思う。彼らが飛び立たないギリギリのところまで近寄って観察をしてみると、そのタイプは様々いるようだった。バッタなどまったくの門外漢なのだが、大きさも模様も,そして体色も多様で、簡単に一括りにはできないように思った。だから,分類学上の種としては、いくつかに分かれるのだろうと推測する。

 さてこの飛行バッタ、体色がこの通りなので、近くに寄っても分かりにくい。いや視力が劣る筆者はなおさら分からない。だから,ヤツをいったん飛び立たせて、その飛行ルートをとらえて着地点を確認する。その後,静かーにそこに近づき、拡大モードで写真撮影すること十数回。

 ところで,このバッタたち、午前中はそれほど動きが目立たなかったように思う。けれど午後に入ってからは活動的となり、それも現地時間で20時,21時ころまで活発に動いていた。”夜の蝶”は聞いたことがあるが、”夜のバッタ”というのは耳にしたことがない。

 日々飛翔、日々発見。 (K.M)