(635) モンゴル日記(350)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて98 】

 乗馬は気が進まなかった。が,11時過ぎにはトレーナーと共に7頭の馬たちがやって来た。結局メンバーは若者5人と筆者という顔合わせになった。もちろん若者たちは乗馬に馴れたモンゴル人である。

 それに対して、こっちは日本人。生まれて2度目の乗馬でしかない。それも高齢者に近づいている。思えば最初の経験もやはりこのモンゴルでだった。それは6年前のこと。落馬こそしなかったものの、緊張の数時間だった。その時に教わったことをひとつだけ覚えていた・・・馬の後ろ側には行くな!蹴られるかもしれないからである。

 モンゴル馬はアラブ系などより小形だという。だから足の短い筆者などには向いていると思う。でも乗る際も降りる際もトレーナーの手を必要とした。ただし,彼は日本語を解さないから身ぶり手ぶりだ。見送る立場のB氏は、「シャチョー、ダイジョウブ,ダイジョウブ」。何が大丈夫なのか・・・。とは言え、ともかく手綱を離さず,鞍を両足できつく挟んで出発した。でも常に筆者が最後尾だった。

 下の写真の風景は、少し乗りなれてちょっと余裕ができた瞬間に,馬上から撮ったものだ。この川岸をしばらく上って行くのだ。美しいテングスの清流だったが、それを観賞する余裕などほとんどなかった。とにかく落馬しないようにするのが精いっぱい!

 馬上では緊張しっぱなし。時々あぶら汗、時々ケツ痛。 (K.M)