(637) モンゴル日記(352)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて100 】

 写真の上・下とも、テングス川河畔の林の中だ。ここで皆が馬から降りて、最初の休憩をとった。誰かがドリンク類を携えてきたようで配給された。筆者もミネラルウォーターをもらう。

 休憩にはホッとした。まず馬上の緊張感から解放されるから。そして,始まっていた尻のヒリヒリ感が薄れるからだ。尾てい骨のすぐ下、尻の端の両側部分が少し痛みだしてきたのだ。ふだん刺激を受けない尻の後ろ部分を、鞍の上でカパッと開く。そして,そこに乗馬による上下動が加わり、絶えず刺激を受ける。すると,ヒリヒリ感が生まれ、やがて痛みに変わる。まァ一言でいうと、乗り方が下手なのだろう。

 さて下の写真だが、手綱をつながれた2頭のうち正面の方が筆者の馬だ。同行者には日本語を話す人が誰もおらず、この馬の癖などはもちろん教えてもらっていない。けれどこの馬、なかなか手こずった。

 というのは、この若そうな馬はエサをちゃんと食べて来なかったのだろうか。進路沿いに,エサになる草や葉を見つけると、突然止まる!そして,それを頭を動かしながら喰いはじめるのだった。これが怖い!とくに頭を大きく下げたりされると、こっちは慌てる。とっさに落ちまいとして、体をのけぞらせ両足を鐙で踏ん張って、手綱をしっかりつかむ。これが何度あったか。

 結局,この馬に舐められていたのだろうか。日々モンモン、日々悶々。 (K.M)