(648) モンゴル日記(363)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて111 】

 尾根の端に止めてきたクルマのところに戻ろう。それで3人がこの「城砦」を下りはじめた。写真上はその時に通った、整然とした岩の列である。これは人工物ではなかろう。きっと自然のもので、節理が地表に現れたものだろうか?

 節理は立っているものがふつうと思っていた。日本ならだいたい崖をなしているような所が多い。けれど、ここでは寝ているのだ。ちょっと不思議に感じた。おそらく人類が出現しないはるか大昔、この北モンゴルの地殻では大規模な変動が起きたのだろう。それはともかく、ここは歩きにくかった。

 下の写真は、下山しながら南方面を望んだ風景である。山裾を通ってくるシシケッド川の上流の方が見渡せた。こうして眺めていると、川幅が広い箇所もあるし,水量も豊かなことが分かる。やはり,なかなかの大河なのだ。ところでこの時点では、午後からこのシシケッド川を横切ることになろうとは全く予想もしていなかった。

 だいたいここでは考えてもいないこと,予想外のことをいろいろ体験させてもらっている。乗馬といい、この城砦上りなども想定外のこと。B氏を中心にして、日本からの旅人を退屈させまいとして様々なプランを組んでくれていた。その気持ちはありがたかった。午後からのシシケッド川横断-対岸上陸の計画もそうだった。ボートは既に手配していたようだった。

 日々アドベンチャー、日々発見。 (K.M)