(662) モンゴル日記(377)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて125 】

 目がよくないので,メガネをかけ沼の沖の方を凝視する。そうすると浮葉植物も見えてきた。・・・そばに寄りたいが・・・。けれど,一人で沼に入るのは思いとどまった。B氏でも岸辺にいてくれればよいが・・・。やはり異国の見知らぬ土地では単独行動を避けるようにしていた。何かあった場合大変だし、多くの人たちに迷惑がかかるからだ。

 さて写真上はその浮葉植物の一群である。おそらくヒルムシロ属(Potamogeton)の何かだろう。近づけないのが残念だが。まァ,この属の植物はときに水面に浮葉を展開したり、ときに水のなかに水中葉を伸ばしたりする。変化に富む面白いグループなのだ。また世界的にみても種類はなかなか多いらしい。

 前に述べたが、シシケッド川の方にはこのヒルムシロ属の水草が生育していた。ただし,そこは流れの速い流水域だから水中葉だけしか伸ばしていなかった。浮葉はあまり見られなかった。それに対して,ここでは同じグループだとにしても、止水域なので浮葉主体に生育しているのだろう。

 ところで下の写真、これが岸辺に引っ掛かっていた。葉脈がくっきりとした大きな葉で、ヒルムシロ属の何かの水中葉だと思う。帰国してから調べているが、今のところ何物か分からない。日本では見たことがない。端整な美しい姿だが,何の葉だろう。

 ここで一句・・・合流点 異国人ひとり 興奮し。 (K.M)