(673) モンゴル日記(388)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて136 】

 上の写真は会場を行く競馬関係者たちだ。国旗を掲げ先頭を進む3人は主催者だろうか。その後ろが、出走する騎手たちだ。彼らはみな子供で、年齢は7歳から12歳までだという。

 騎手が子供なのは、以前から聞いてはいた。けれど目の前でその雄姿を目にすると、軽い衝撃を受けた。そして,日本の同年代の子供たちとつい比較してしまった。教育制度から国の歴史や国民の気質まで、日・蒙で大きな違いはあろう。けれど,それらを考え合わせても素朴に感じたこと。それは、彼らが日本の子供たちよりはるかに逞しいことだった。慣れてるとはいえ,レースは落馬の危険と隣り合わせなのだから。

 実際,こんな少年時代を過ごしたらしい親友B氏が、目の前で落馬したことを忘れてはいない。それは5年前のこと。日本なら、その場に居合わせた筆者が救急車を呼んだだろう。しかし,場所はウランバートルから遠い草原で、救急車などはムリ。落馬直後の彼は仰向けになって、動かなかった。すぐそばに駆け寄り,声を掛けると、「・・・だいじょうぶ」と絞り出すような声。それから十数分後にようやく起き上がった。その時の彼の第一声は、「丈夫に産み,育ててくれた親に感謝していました」。

 ところで下の写真は、観戦していたモンゴル相撲の序盤戦のようすだ。まだ観客が少なかった。

  はじめてのナーダム、相撲,競馬,弓射があった。 (K.M)