(677) モンゴル日記(392)

【北モンゴル最奥部を訪ねて140 】

 前号で述べたあの木橋を渡って、しばらくの間走る。そして,この地域で唯一の売店を持つ村―ウランウールに寄って用を足した。そこの売店はコンビニに似ており、きれいで明るい店内だった。各自そこでいろいろな物を買い求め、近くにガソリンスタンドもあったので、給油をするクルマもあった。

 ところで,この村でちょっと珍しい動物と人々に出会った。それが上の写真である。荷台に乗せた動物はトナカイ。そしてそのトナカイをトラックに積んで運んで来たのは、ツアータンという少数民族だという。

 彼らはモンゴルの最北部に住み、ふだんはタイガの森林山岳地帯で暮らしているらしい。トナカイ以外は放牧せず、たまにこっちに出かけて来るらしい。とくにナーダムのときはフブスグル湖付近で会える可能性が高いのだという。

 トナカイというのは、その肉や乳,皮が利用されるほか、その角は漢方薬の原料として珍重されているらしい。

 ちょっと面白かったのは、牛馬や羊を見慣れている人々がトナカイにとても反応を示したことだ。みんなが代わる代わる荷台の彼らを覗いた。モンゴルの人たちにすれば、トナカイというのはなじみの薄い珍しい動物で、興味深い動物と映るらしい。

 さて下の写真は、以前にも紹介したキキョウの仲間だろう。この花はこの辺ではときどき現れた。

 モンゴルの人も時には驚き、もちろん日本人は日々驚き。 (K.M)