(678) モンゴル日記(393)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて141 】

 ウランウール村を出発してからは、あまり寄り道をしなかった。夜のキャンプ場所を探していたからだ。そして、しだいに草地が増えてきた。それに連れ、道沿いの植物も目立ってきた。

 写真上は、花を咲かせたネギ類(アリウム属)とキキョウの仲間と思われる。ネギ類の原産地のひとつはモンゴルの山地だと、去年だったか?NHKテレビで放送した。確かにそれはネギ類だったようだが、チト系統が違うらしい。

 参考までに調べてみると、ネギの原産地は一般的には中国西部,中央アジアとされている。けれど資料によっては、中国西部だけの記載のものもある。あるいは中央アジアから中国西部,バイカル湖付近までとする説もあるようだ。

 だから、モンゴルに野生ネギの原種があったとしても不思議ではなかろう。また,それらが採取され人々の食材にもなっているという事実は自然だと思う。

 思い出してほしい。来るときに、これに似た野生ネギを抱えた女性に出会った。正確に言うと、夫らしき人物が運転するオートバイの後部座席に跨っていた,あの女性である。彼女は、料理して食卓に出すと言っていた。そのことは(568)号で書いた。

 ところで写真下はナデシコ類(ダイアンサス属)だろう。こちらもこの辺りでは、たびたび見かけた。可憐な花だが、この花色に接すると何やら元気が出てきた。

 花に慰められ、花に活気づけられ。 (K.M)