(689) モンゴル日記(404)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて152 】

 上の写真は背景にワレモコウの集団が見えるが、それについては後の号で述べる。その手前のネギの仲間に注目してもらいたい。この写真をよーく覗き込むと、ワレモコウに混じってこの赤花のネギが中ほどまで生えているのが分かる。

 これらネギ類(アリウム属)はあちこちで出会った。行きの途中の峠で、食用にネギを採取した女性にも会った。また最近NHKテレビで、ネギの仲間のある種類がこのモンゴルを原産地としているらしいということも放送された。

 と,草原を歩きまわっていたら、写真下の白いネギ(と思われる)を発見した。これは所々にしかなく,数は多くはなかった。しかし,この草原で赤と白のネギに出会い、ちょっと嬉しかった。

 ところで植物の花や姿を鑑賞するのが、花き園芸の本質なのだろう。けれど、たまたまヒトが食用とするその植物の花や姿形が美しい、逆にヒトがその花に興味を引かれた植物が食用にできるという、こうしたケースは少なくはないのだろう。

 個人的な好みながら、身近なところで見まわしてみる。夏であればナス,オクラ,トマト,ジャガイモあるいはザクロなど、花色や姿形に魅かれる花は少なくない。けれど中には、花はイマイチというものもある。同じネギでも日本でふつうに食しているネギ類は地味な方だし、トウモロコシの花もそうかも知れない。

 日々鑑賞、ときどき食用。 (K.M)