(697) モンゴル日記(412)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて160 】

 道路沿いの風景はいつも草丈の低い草原というわけではない。今回の帰り道でも,ときどき草薮みたいな場所は現れた。藪とはいっても日本と違い、背丈に達するような植物はふつう生えていない。上・下の写真はいずれもそんな場所での植物だ。

 上の写真は何度目かの紹介になるが、デルフィニウムである。(写真の焦点が右奥にいったようで失礼!)これまでは焦げ茶色のような変な色?のものをお見せしていた。けれど,これはデルフィニウムらしい空色のものだった。その明るい青は目立った。

 このデルフィニウム、日本名は飛燕草というようだ。花のカタチからそう名づけたと思われる。実に言いえて妙である。

 筆者は還暦を過ぎて数年。知っている花なのに、その現物を見て即座に名前が出て来ない場合がたまにある。そこで役立つのが和名と学名。この花、日本名は確か”ヒエンソウ・・・飛燕草”。すぐに出てきた。そうしているうちにやがて、「あっ,デルフィニウム、デルフィニウム」と出てくる。

 ところで下の写真である。シソ科のようだった。茎の断面も四角で、花の見た目もそんな感じがする。調べていったら、モンゴルの資料にこれらしき植物が載っていた。やはりシソ科のフロミス(Phlomis tuberosa)として記載されていた。エルサレムセージなどの仲間らしい。

 草薮には花々、草薮にはたまに・糞々。 (K.M)