(22) 鉢を寝せる

鉢を寝せる 

 当地では雪降り前に、生産者や業者が屋外に並べた鉢植えをわざと倒す。これは積雪による幹折れ・枝折れを防ぐためである。いわば雪国の産地の知恵である。この辺りでは普通、この作業を“鉢を寝せる”という。

 鉢を倒すとか、横にするとか言わないこの表現は、生産者の鉢植えを大切に扱う気持ち,植物に愛情を注いで育てる様子が伝わってくるようで、うれしい。

 筆者はもともとこの地で生まれ育ったわけではない。だから、この“鉢を寝せた”光景を30年前に初めて目にした時、「変なことをするもんだ、どうしてこんな事を?」と一瞬思った。けれども、生産者の説明を受けて、なるほどと感心したものだ。

 黒いポットに黒いトレー、そして寒の戻りによる降雪があり、写真はまるでモノクロみたいになってしまったが、ある種の美しさすら覚える。なお参考までに記すと、これらのポット植えの樹種はスモークツリーである。

 そろそろ寝せた鉢を起こす時期になって来た。しかし、今朝もまた白いものが降ってきてしまった・・・。

日々好日、日々感謝。  (E.O)