3日間とはいえ、スフバートル広場を歩いて4周もしていると、そこですれ違う常連さんができた。言葉はもちろん挨拶も交わせなかったが、顔なじみの人々と毎朝出会った。
あの寒さのなか耳あて帽もかぶらず、一人で黙々と走り続けていた背の高いすらっとした青年。同じジョギング組なのだが、運動を切り上げるときには必ず後ろ向きに走ってから終える、白いセーターを着た若い女性。彼女のその後ろ向き走行はリズミカルだった。そうした彼女の生き方はとても前向きに感じた。
ウォーキング組では、まっすぐ前だけを見ながらニコリともせずに歩き続けるおばさんがいた。何か深い悩みでもあるのか、夫婦げんかでもしたのだろうか。また、そうした固い表情のおじさんも2人いた。彼らは視線を合わそうともしなかった。
ユニークだったのは、7時近くになってクルマで広場にやって来る一家と思われる3人だった。両親二人と娘であろう。彼らはクルマを降りると、最初のうちお父さんと娘さんはジョギングで外周を走り回る。しかし、お父さんは娘さんについて行けず、1周か2周でジョギングからウォーキングに切り替える。一方、お母さんは最初からマイペースで歩く。娘さんは最後まで走り続ける。そして、それぞれの運動を終えて、また3人で広場を去って行く。
このお父さん、気に入った。なぜなら、ウォーキング最後の日に、筆者に対して挨拶をしてくれたからだ。親娘でジョギングを始めてまもなく、彼はすれ違いざまに微笑をこちらに向け、右手を上げてくれたのだ。思わず筆者も左手を上げて応えた。すれ違った人々の中でたった一人だけだったが、実にうれしかった。「お父さん、達者でね。」
(写真上は広場の北東方面で、中央左手にスフバートルの騎馬像がはっきり見える。/写真下は広場の西南方面で、ウランバートル市役所などが建っている。)
モンゴルでも日々好日、日々感謝。 (E.O)

