散り始めた桜の花びらが樹下を埋めてきた。
5月になったというのに、新潟では朝のうちはまだ寒さを感じる。先月などは日中20℃以上に達したのは数日しかなかった。そのせいだろう、今年はあちこちで色々な植物の開花が遅れている。当地の露地植えチューリップもそうだ。そして、自宅裏のソメイヨシノも例外ではなかった。咲き出すのも、散り始めるのも遅かった。平年より5,6日は後だったろうか。
桜も満開が過ぎて、少し強い風が吹くと、花びらがしきりに舞い落ちてくる。まさに桜吹雪となる。そんなとき木の下にいると、散り落ちる花びらを顔にも受けながら、一瞬なぜか「おれは今、いったいどこにいるんだろう?これが極楽というものか?」などと思ってしまう。が、すぐ我に返る。そのまま浸っていると、あの『桜の森の満開の下』のように、おどろおどろしい領域に入り込んでしまう。
ところで、そうした特異な世界に魅かれないではないが、それは小説にお任せする。それよりは、こんな風にして花びらが地面に程よく張り付いてくると、なかなか風情に富んだ景色となる。まるで夜空の星々のようで、さしずめコンクリート通路は横たわる銀河のようであった。
(なお手前はセキショウ、左上の黄花はリュウキンカである。)
日々好日、日々感謝。 (E.O)
