(216) 花のある生活①

花のある場所

 人様にあまりお見せできる空間ではないが、台所の一角である。猛暑のさなか、こんな場所でも花があると、朝から気分が違う。ちょっと爽やかに一日が始められる。

 手前に淡い黄色のヒマワリ。それは存在感があっても、暑苦しくない。また、奥にはヒペリカムの実も覗いている。こちらも穏やかな赤である。手前の円柱形のものはオブジェなどではない。逆さに立てた花器だ。お盆前だったので、配偶者がいろいろ引っ張り出し、前夜 洗った後に乾かしておいたものだ。ガラス花器に花が立てられ、そのそばに陶器の花器が逆さになっている。この点も、面白く感じられた。

 ごく身近な日常生活の一場面に花を置く。人様に見せることはほとんどない、こうした生活空間に花を添える。こんな花の飾り方も悪くはない。むさ苦しい中にも、美あり。床の間や客室テーブルの上に花を活けるのもよい。またアートのような花の装飾があってもいい。けれども、こうした生活臭に満ちた空間に置いた花にも風情は漂う。

 この日の朝はこんな風にちょっと良い気分になったので、いつもの蒸しブロッコリーや茹でアスパラガスのほかに、酢の物までこしらえた。

 野に咲く花は別にして、身近な生活の場に置かれた花を見て、ちょっと良い気分になる。あるいは、ささやかだけれど明るい気持ちにさせてもらう。そうした花の役割があってもいいのではないか。そんなことがシャバにちょっとした潤いをもたらしてくれる。

 ところで、このヒマワリはその日のうちにちゃんと仏壇に飾られていた。

生活に花あれば、日々好日、日々感謝。 (E.O)