写真の花の第一印象は、踊る白いジョロウグモである。もう少しきれいに表現すると、白い妖精たちのダンスといったところか。人によっては、宇宙人が手を広げて通せんぼをしているように見えるかも知れない。
独特の美しさを持ち、どこか神秘さを秘めた花。あるいは、こんな花は人間の想像が及ばない領域に属するもの、人間には絶対に創り出せない造形物、とも思った。これまで抱いていた花のイメージを変える花だと思う。この細くて白い繊細な花弁は、何と形容すればよいのだろう?
咲いていたのはこの一鉢だけ。初めて見るこの花に目が留まった。魅入られたように、しばし観察。場所は六甲山系の一角にあるビニールハウスである。薄暗いハウスの中なので、メガネをかけて観察し直しても、さっぱり見当がつかない。「・・・もしかしてサギソウの仲間?」くらいしか頭に浮かばなかった。結果的には予想は当たったが、栽培者の説明を受けねば、それ以上のことは分からなかった。
日本に自生するサギソウの仲間で、東南アジアの熱帯雨林に生えているのだそうだ。ラン科ミズトンボ属の植物だという。学名はハベナリア・メドゥーサ(Habenaria medusa)。
筑波実験植物園の記事によれば、日本国内では2003年に初めて開花に成功した珍品らしい。栽培者の話では、咲いている期間がとても長く、観賞期間は2ヶ月くらいは大丈夫だろう、という話だった。たしかに花穂の下の方の花は開いているが、上の方はまだ閉じていた。
六甲で世にもまれな花に出会えて 日々好日、日々感謝。 (E.O)
