(503) モンゴル日記(218)

【 エグ川にて~14 】

 

 エグ川沿いの道を下って行く。途中、4人が数ヶ所で試し釣りに挑んだ。なかでも広い河原のある場所で、長時間にわたって釣り糸を垂らした。これは前号で述べた。

 さて この植物はナデシコの仲間らしい。が、今のところ詳細は分からない。これは河原の苛酷な条件下で、白花を咲かせていた。そして 写真右のように、まばらだが小集団をつくっていた。

 この日は気温が30℃以上には達したと思う。雲のない暑い日だった。だから、この河原の日なたには長くいられなかった。それで釣りをしない筆者たちは、木々が茂っている緑陰に逃げ込む。結局 ここでの試し釣りに1時間以上もつき合った。そのため遅い昼食もここでとることに。早めに昼食をとった筆者は、日差しのきつくないところで植物観察をはじめた。

 こんな日差しの強い乾燥しきった場所でも、このほかにいくつかの草花を見つけた。その中にはこのツアーで最大の収穫となった青いオキナグサもあった。

 一方、釣りに加わらないB氏はクルマに乗り、後半の宿泊地探しに出かけた。テントを張るにも調理をするにも都合よく、そして釣り場に近いキャンプサイトを、である。と意外にも、彼は早めに戻った。どうやら見当をつけて来たらしい。それはこの河原から数キロ下流の草地だった。

今年はこれが最終号になります!来年も皆さんにとって良い年でありますように。 日々好日、日々感謝。 (K.M)

(502) モンゴル日記(217)

【 エグ川にて~13 】

 

 写真左は移動の途中もっとも長い時間にわたり、釣り師たちが試し釣りをした場所だ。釣っているのは手前がBa先生、奥にいるのはT氏だ。このとき新潟の若者Kt君とI君は、このすぐ上流で釣り糸を垂れていた。

 写ってはいないが、この写真の左側には河原が広がっており、そこでは何種類かの野草を見つけた。この次の号からはそれらの幾つかをご紹介しよう。

 さて写真右は、この試し釣りの場所から上流方面を望んだ風景だ。空には吸い込まれるような鮮やかな青が広がり、足もとには流れる川水の青があった。実に印象的な景観である。この強烈な空の青さも、モンゴルの魅力の一つかも知れない。また、右端の奥には後述するが、コテージ群も見える。

 ところで、筆者は釣り第一日目にT氏と共に竿を持って川に出かけた。そこは前半のテントサイトからそう遠くない場所だった。そして 釣果において、はじめのうちはT氏と互角に勝負していたのだ。レノックながら、2匹は釣り上げた。けれども T氏が3匹目を釣ったあと、昼食にテントサイトまで戻った。実はそれ以後は戦意を失ってしまい、もう釣りに出かけなかった。

 後半の釣り場でも1,2回は釣り糸を垂らしたが、結局一匹も釣ることができなかった。だから、この釣りツアーの筆者の釣果はレノック2匹に終わってしまった。

釣れない時は、野の花が慰めてくれる。日々好花、日々感謝。 (K.M)

(501) モンゴル日記(216)

【 エグ川にて~12 】

 

 写真左は移動日の朝のテントサイトである。高台にあり、見晴らしの良かったこの前半の宿泊地とも、いよいよ今日おさらばだ。この日、いつものように早朝に目が覚めた。それでまずシラカバ林で用を足し、エグ川に下りて顔を洗う。その後、カメラ片手に野に咲く花を求め、歩き回ってきた。けれど、まだ誰も起き出していない。

 やがて J氏が起き出し、料理をはじめた。そして 皆が起きてきて遅い朝食をとった後、各自が動き出した。テントをたたみ、折り畳みテーブルやイスを片付け、作業は終わった。その最後には、周辺のゴミ拾いも行った。ただ炉に用いた石などは、次に使う人のために?集めるだけにしておいた。

 写真右は荷を積み終えて、いよいよ斜面を下ろうとするレクサスである。筆者はこっちに乗っていた。運転手は引きつづきJ氏。前方のエグ川の水面が、キラキラと輝いていた。

 前にも触れたように、モンゴルの人々はこうしてクルマで斜面を下ることにはほとんど抵抗がない。J氏もそうだった。鼻歌こそ出なかったものの煙草をくわえ、助手席に乗っていたB氏と談笑しながら下りていった。その間,筆者の方が緊張して体はこわばっていた。

 ところで釣りの方だが、今のところ皆がレノックは釣り上げているようだ。しかし 誰もタイメンを上げていない。

日々レノック、でも日々感謝。ああモンゴルの神様、誰かにタイメンを・・・。 (K.M)

(500) モンゴル日記(215)

【 エグ川にて~11 】

 

 いよいよ最初の宿泊地とお別れだ。この風景を再び目にすることができるだろうか。この地をまた訪れることができるだろうか。この山河をよーく眺めて、記憶に留めておこう。明日の今ごろはきっと、次の宿泊地にいることだろう。

 数日慣れ親しんだこの風景を後にするのは、ちょっとさびしい気がした。だいたい、そうした感情を抱かせるほどの山紫水明の地なのだ。人工的な音はほとんど聞こえない。ほとんどというのは、前日この上流の彼方から何かの爆発音のような音が響いてきた。大きな音ではなかったが、B氏によれば鉱山の爆破音だろうとのこと。なるほど鉱物資源が豊かなこの国らしい音だ。

 この見晴らしの良い尾根の上からあたりを眺めていると、時間を忘れた。そして 異国の山地にいるという意識も薄らいでくる。だいたい、ここに到着した時の第一印象が・・・ここは何だか見たことがあるような風景だわサ。デジャビュとかいう感覚かなァ・・・。

 いやいや新潟県のある地域にちょっと似ているのだ。それは東蒲原郡の阿賀野川流域の風景である。それほど高くない山地の間を河が流れてゆく。周辺の山容も似ていて、岩がむき出しの峰も混じっている。ただ景観上の大きな違いは、ここには人工物が全くないということだ。鉄道も,高速道路も,橋梁も,送電線も、そして人工林もない。

ほとんど手つかずの風景に触れ 日々好景、日々感謝。 (K.M)

(499) モンゴル日記(214)

【 エグ川にて~10 】

 

 前号の蝶につづいて、今回はトンボである。この写真もKt君から借りたものだ。

 写真左の幼虫については、日本でよく見るように、はじめは脱け殻だと思っていた。しかし じっくり見ると、どうやらそうじゃないのでは・・・?色がそれとは違って白っぽくないし、背中には脱皮のときの裂け目も見られない。中身の詰まった、生きた幼虫ではないのか?

 それでKt君にこの疑問を含めて何点か尋ねた。そうしたら彼は、「ぼくも生きた幼虫だったと思いますよ。それに写真右の成虫は左の幼虫のすぐそばにいました。だから、同じ種のトンボの幼虫と成虫と考えてよいのでは。そんなにトンボの種類が多いとは思えなかったし」、ということだった。

 ところで 彼は魚類についてはやはり詳しいようだった。そして 驚いたことに『フィッシュ・オン』をはじめ、あの開高大先生の釣りエッセイの内容までけっこう知っている。さらに、動・植物についてもなかなか博識であった。けれど トンボについては分からない、と語っていた。

 さて 筆者はこのトンボについて、もっと知りたいと思った。そこで調べだした。インターネット検索や図鑑などにあたる。その結果、サナエトンボの仲間では?と推測した。体の模様と、腹部の後ろにうちわのような形の独特な突起が確認できたからだ。

とんぼのメガネは・・・♪、筆者のメガネは・・・?! 日々観察、日々感謝。 (K.M)

(498) モンゴル日記(213)

【 エグ川にて~9 】

 

 写真左は、蝶の群れが岸辺のある地点に寄り集まった様子である。右はその拡大写真だ。こちらはプロのカメラマンが撮ったような構図で面白い。以前テレビで見たような気がするが、実際こんなシーンに初めて遭遇した。ただし正直言うと、これら2枚の写真は筆者が写したものではない。あの釣り師Kt君が撮影したものだ。

 Kt君たち3人は、エグ川のだいぶ上流の方に釣り場を求めていった。だから、この撮影地点はテントサイトからだいぶ離れた場所だろう。それに対して、筆者とT氏はテントサイト近くで釣りをしていた。そして筆者も、そこで蝶が集まる場所を2ヶ所見つけた。ただし、こんなに多くは集まっていなかったが。それでもその時は、珍しい光景なのでしばらく観察していた。一応その写真も撮ってはある。

 この事実から推測すると、この辺ではこうした蝶の集合という現象が稀というわけではないようだった。少なくとも同じ日に3ヶ所で目撃したのだから。ただこの蝶たちが何のために集まって来るのか、といった点は分からなかった。しかし あとでその点についてKt君と話をした。このように蝶が集まる場所の地面には、蝶が好む何らかの物質がしみ出ているのではないか、という見方は同じだった。ただし これらの蝶について、その名前や生活はまったく分からない。

写真の蝶は数えてみたら、50匹以上はいた。日々絶好蝶、日々感謝。 (K.M)