(514) モンゴル日記(229)

【 エグ川にて~25 】

 

 写真左のように、釣り上げたKt君は尾びれのつけ根をしっかりつかまえ、ゆっくりと水面から持ち上げた。写真右はその胴体部分だ。「うーん,デカい!!」。

 観念したかのようにおとなしく横たわっているタイメンを、しばし眺めていた。彼(彼女?)は風格のようなものすら漂わせている。そして 横目で筆者を睨みながら、こう呟いているようだった。「同情なんていらねえよ!オレの失態だわさ。それにお前らが喋ってるのを聞いてると、オレを釣った奴ぁー,外国が初めての人間だって言うじゃねえか。そんな異国の若造に引っかかるなんて、オレも焼きが回ったもんだ。ああ情けねェ。ただ若造は日本人だっていうから、まァ幸運か」

 「なぜ,幸運かって?分かんねえのか。ほら最近まで元気のよかったモンゴルの南の国があるじゃねえか。そこの人間なんざに釣られたら最悪だったわなァ。だいたい不名誉だし、キャッチ&リリースなんて守るわけがねェ。連中すぐ食っちまうよ。オヤジ,おめえも日本人みてぇだが、何なら後学のためにオレを喰ったっていいんだぜ」

 そこで筆者はあわてながら答えた。「何を言うんですか。そんな事はしませんよ。日本は法治国家でルールを尊重する国がらです。もう少し写真を撮らせてもらったら、すぐ解放しますよ」

彼が答えた。「おっそうかい,日本人に釣られてやっぱり良かったぜ!」 日々好日、日々感謝。 (K.M)