(517) モンゴル日記(232)

【 エグ川にて~28 】

 

 いよいよお別れだ。写真右のように、放す前にKt君はタイメンと別れのキスをした。彼がいちばん名残惜しかったに違いない。夜中に苦闘の末、釣り上げた大物だもの。それも彼にとって今回が初めての国外であり、その海外釣りツアーの最終日で、目的のタイメンを引き当てたのだ。感激と喜びはひとしおだったに違いない。

 さて写真左は、いよいよ放流する場面だ。この後 解放されたタイメンは、最初のうちはちょっと,たどたどしいような動きだった。しかし、やがて本流に近づいていくと、ヌソーッと深みへ泳ぎ去った。何やらホッとした。

 釣った本人ではないものの、こうしてreleaseに立ち会えてほんとうに良かったと思う。こんな場面に立ち会えるのはめったにないだろう。モンゴルでの忘れられない思い出がひとつ増えた。

 ところで後日談をひとつ。以下はKt君の話だ。この大物タイメンを釣ったフライの疑似餌は、実のところ師匠Ba先生から頂いたモノだったそうだ。それはネズミの形に似せたもので、釣り場に行った際に「これを使ってみろ」と渡されたという。言葉が通じないので身ぶり手ぶりだったが、すぐ察したらしい。その事から、おそらくBa先生も彼の腕を認めていたものと思われる。そうだとすれば、日・蒙釣り師の心の交流と言ってもよいかも知れない。

今回のツアー最大の目的が達成されて 日々好日、日々感謝。 (K.M)