(535) モンゴル日記(250)

【 ツクモグサ 】

 

 以前“エグ川めざして”のシリーズで、オキナグサについて記した。その仲間はオキナグサ属(Pulsatillaプルサティラ)に分類される。モンゴルにはその仲間が数種類あるらしい、とも書いた。てっきり希少な植物かと思っていたが、モンゴルではそうでもないらしい。

 写真はそのオキナグサの近縁種で、日本名でいうと、同属のツクモグサと思われる。モンゴルでは、首都 ウランバートルでもこれをよく目にするという。時期になると、周囲の山に足を踏み入れるだけで、この花が見られるらしい。親友B氏の話である。実はこの写真も彼が最近 送ってきたものだ。

 日本では、ツクモグサは限られた高山にしか生えていない。いわば貴重な高山植物といってよい。それがあの国ではあちこちに生えているらしく、モンゴルの人たちにとってツクモグサは特別な野草ではないようだ。彼らにとってはおなじみの花らしい。”ヤルギ”と発音するのだろうか,正確な読み方は知らないが、Yarguiと呼ばれている。これもB氏の話で、彼にはじめて「オキナグサ」の写真を見せたら、「なんだ、Yarguiのことですね」という反応だった。

 考えてみたら、ウランバートルは標高1,300m、北緯が樺太の南部と同じくらいなのだった。そうか・・・。

7月にはまたモンゴルに渡り、フブスグル県で野草観察の日々を送る予定だ。日々花日、日々観賞。 (K.M)

(534) モンゴル日記(249)

【 婦人デー以後 ④ 】

 

 写真左は去年 日本から輸入した花木だ。モノは矮性サルスベリで、これも基本的にはこっちで売れるかどうか探るために入れたものだ。ただ少しの期間だったが,去年の夏の終わり頃に、花の咲いたものを店頭に並べてみた。けれど,反応はサッパリ。やはり,よく知らない植物には手を出さない、という傾向があるようだ。

 ところで,写真左の奥にスコップが写っている。一応 売り物なのだが、置き方はうまくないとは思う。しかし実はこれ,モンゴルではなかなか手に入らないと聞き、三条市のメーカーから買い入れたものだ。剣スコ,角スコともに5丁づつ仕入れた。ひょっとして短期間で売れるかも?!とソロバンをはじいた。しかし,3年がかりで3丁づつしか売れていない。

 一方,写真右はグリーン・ネックレスである。もともとの苗は,2年前に北京から入れたものだ。それがなかなか強健であり、よく増える。けれど,店に出してよく売れるというほどではなかった。そこで今年は社員のT嬢が手を入れた。彼女は伸びすぎた枝を切り詰め、小ぎれいなプラ鉢に植えかえた。また,一鉢には挿しラベルを立てて、再び店頭に置いた。その挿しラベルはPCを利用した手づくりのものだった。なかなかどうして、彼女はこうした気の利いた”才能”を持っている。

さーて,これらは今年どんな販売成績を示すだろうか?前号と同じく  日々心配、日々勘定。 (K.M)

(533) モンゴル日記(248)

【 婦人デー以後 ③ 】

 

 写真は左・右とも日本から輸入したアジサイ苗のようすだ。場所はフジガーデンの温室である。

 写真左はふつうのアジサイ Hydrangea。今年で販売3年目になるが、まァ売れている。それで今年も輸入したのだが。蕾のふくらみがはっきりと確認できるくらいになるまで、温室で育てる。そして,進んだものからショップに運び入れる。

 一方、写真右は日本で常山アジサイと呼ばれているDichroaである。厳密にいうと、アジサイ属Hydrangeaとは違う。今回はじめて輸入してみた。色んな意味で実験をしようと思ったのだ。しかし,輸入して税関で品物を受け取ってからしばらくの間、ようすが良くなかった。けれど,それも克服し多くが元気になった。だから 日本での根洗いから,輸出,こちらでの荷受け,温室栽培までのプロセスは、何とか乗りこえるように思う。課題は,最終的にこちらのお客さんが買ってくれるかどうか?だ。

 常山アジサイのセールスポイントは常緑で、花も咲くし実もつく点だろう。とは言え,モンゴルの人たちは知らないモノには手を出さない傾向がある。また いくつかの観賞ポイントがあるにせよ、まず花が大きくなく、さらに派手でないのは不利だ。だいたい小さい花は不人気で,花色は中間色が好かれない。

店頭に並べ,咲き出して1,2週間で反応が出るだろう。 日々心配、日々感傷(日々勘定)。 (K.M)

(532) モンゴル日記(247)

【 婦人デー以後 ② 】

 

 以前,モンゴルの親友B氏が、「モンゴルにも桜があるんですよ」と言っていた。その時は「ほんとですか・・・?!」と、疑った。サクラについて、筆者は多くの知識を持っていない。しかし,1月にはマイナス40℃になることもある寒さ厳しいモンゴルで、サクラが咲くなんて信じられない。その頃はそう考えていた。

 ところがその後,現物を見る機会があった。それはウランバートルの緑地の一角に植わっていた。花そのものは八重ザクラに近いが、姿カタチが大きく違う。まず高木ではない。株立ち状になった低木なのだ。まさに上の写真の通り。日本人がふつう抱く桜のイメージとはかけ離れている。広く言うと、サクラの仲間かも知れないが・・・ひょっとしたらニワウメとか、そうした種類かも知れない・・・。

 それで帰国してから、いつものようにO先生にお聞きした。「写真で見る限り、ニワザクラの仲間でしょうねェ」。筆者の推測が大きく外れてはいなかったようだ。文献によれば、ニワザクラ Prunus glandulosa はニワウメ Prunus japonica と近縁だという。そして、その原産地は中国中部,北部という。これならあり得る。

掲げた左右の写真とも、そのニワザクラと思われる。花は八重で色は白かピンクだから、たぶんそうだろう。

上の写真は,親友B氏が5月に送って来たものだ。日々桜日、日々感謝。 (K.M)

(531) モンゴル日記(246)

【 婦人デー以後 ① 】

 

 この2枚の写真は、5月11日ウランバートルに積もった雪である。LINEで来た写真を見て、うわァッ!! 驚いた。前夜から降りはじめて、この日の朝には数cmに達したらしい。この時期には筆者はモンゴルに滞在していなかったが、親友Bさんが撮影して送ってくれた。

 けれども,モンゴルとはいえ5月、さすがにこの後は雪が雨に変わり、その日のうちに融けたらしい。とはいえ,観測記録によれば、この日の最低気温は-4℃、最高気温は+4℃だった。

 ウランバートルの5月を表わすとなると、長い冬から短い夏に移行する時期、とでも言えようか。まあ,この国では春と秋が短い。そして,冬が長ーいのだ。

 『地球の歩き方 モンゴル編』によれば、モンゴルの冬は11月から4月の6ヶ月間をさすようだ。ちなみに春は5月,6月、夏は7月,8月、秋は9月,10月というように書かれている。5年前,10月中旬に北モンゴル=ユロ川での釣りに誘われた。その時、明け方のテントの外には霜がびっしりと降りていた!そして,持参した温度計を見たら気温は0℃だった。

 日本人の季節感覚では、春・秋に関して快適さも含まれているように感じる。けれども,こうした感覚はおそらくモンゴルの人たちにはしっくりこないかも知れない。

5月以降の売上げが、こんな寒そうな結果にならないことを祈るばかりだ。 日々好日、日々感謝。 (K.M)