ニワザクラの花である。サクラと名づけられていても、シバザクラのようにバラ科サクラ属=Prunusでない植物がときどきある。しかしこのニワザクラ、低木だが正真正銘のサクラ属なのである。
お恥ずかしい話だが、長い間この樹木の名前を正式には知らなかった。というより、この木の良さに気づかなかった。樹名を知る前は、コデマリの仲間くらいにしか考えていなかったくらいだ。しかし、最近この時期になると、低木だが存在感を示すこのニワザクラが気になってきた。
自宅敷地の一角に通称“やま”と呼ぶ30㎡ほどの盛土部分がある。ニワザクラはそこに2株根づいている。その場所は何を植えてもよく育つと言われてきた。土質・排水・日当たり・風当たり等の条件が悪くないのだろう。そこに植えて枯れた植物の記憶がない。だから、次第にそこには多くの植物が植え込まれていった。
高木ではタイサンボク,モミジ,モクレンなど、中木ならツバキ類,西洋シャクナゲ,ギンモクセイ,カルミアなど、低木はサツキ類,キレンゲ,ナツボウズなどである。また、その他にナルコユリやシャガといった草本もある。だから、この時期の“やま”は次から次へと花が咲き、散っていき、季節が進むのを感じさせてくれる。
モクレンの花が終わった後、“やま”の中央で真っ白な花穂を立てていたのが、このニワザクラである。樹高は2株とも1.5mほどだが、あたりをパアッと照らしていた。周りの若葉の鮮やかな緑や咲いてきたツツジの朱色を引き立て、そして引き立てられていた。開花期は短かったが、見事な咲きっぷりだった。
花の命は短くても 日々好日、日々感謝。 (E.O)
