(127) 百両金(カラタチバナ)-其の三

百両金(カラタチバナ)-其の三

 写真は「大明出雲達磨(たいみんいずもだるま)」という品種である。ちょっと堅い感じの名前だが、現物はなかなか優美な姿をしている。

 木姿は大らかでスッキリしており、葉は大きく やや捩れて巻き上がる。葉の色は黄緑で、これがいわゆる萌黄色なのだろう。茎や葉柄は独特の赤味を帯びる。葉脈はその影響を受け、それが薄まった赤色に染まる。

 筆者などはこうした葉っぱを目にすると、何やら葉物野菜を連想してしまう。そのせいか、こんな葉っぱなら″おひたし″にしても良さそうに思える。また、実の色はピンクがかった赤と表現すべきか。

 “大明”というのは系統名で、木姿や葉の色合いが写真のように、全体に茶色っぽい赤(赤紫)を帯びる傾向を言う。大明系の中でもこの品種は、葉こそ巻き上がるが、どことなく品が良く女性的な印象を受ける。

 また 品種名にある“出雲”はもちろん出どころを示す。島根県で生れた品種である。参考のために記すと、現在この貴重な百両金を栽培・保存し、品種改良に励んでいるのは新潟県と島根県だけ、と言い切ってもよい状況である。

 そもそも筆者が この百両金を面白い植物だと思ったきっかけの一つは、重力に逆らって葉が立ち上がることである。葉でこうなる植物は数少ないと思う。勿論そうした性質を持たない、葉が下がる百両金もある。けれど、この「大明出雲達磨」も、(122)号で紹介した「黄竜錦」も葉が巻き上がる。この葉が巻き上がるというのも葉芸の一つなのだという。実に面白い植物だと思う。

奥が深くてよう分からんが、魅力に富む百両金の世界。これがあれば 日々好日、日々感謝。 (E.O)