(575) モンゴル日記(290)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて38 】

北モンゴル最奥部を訪ねて38

北モンゴル最奥部を訪ねて38

 上の写真の拡大が下である。この植物は残雪のあった川原の、道路側の湿地に生えていた。そこは川の流れからは離れているが、そばに行くと,靴がズブズブと沈むほどだった。下の写真をよく見ると分かるが、水がしみ出しているのだろうか、あちこちが光っていた。面積は全体で数十㎡くらいはあっただろう。

 写真の植物はプリムラの仲間のようだった。花の大きさは1㎝にも満たないくらいの小輪で、とてもかわいらしい。それは無機質な川原の風景に、可憐さと柔らかい色彩を添えていた。花色はほぼ下の写真どおり、薄い紫ピンクだった。しばし見入っていたが、花弁はハート形というか,蟹の太いハサミ状というか。花弁は4枚のもの,5枚のもの両方が見られた。

 ところで、この植物の葉はまわりにいっぱいある細いヤツではない。その下にのぞく広葉で、丸っこい小さな方だ。葉もかわいらしい。

 このかわいらしい花と、やっぱり水の出どころが気になり、この湿地に指を突っ込んでしばらく観察していた。と,水がやはりどこかからジワーッと出ているようだった。そうでなければ,ジメジメというよりはグシャグシャとしているこの状態を理解できないからだ。水源は湧水ではないか。そうだとすれば、この湿地は湧水湿地と言われるものだろう。

旅ではいろんなモノ,こと,人に出会う。日々湧く湧く、日々ワクワク。 (K.M)

(570) モンゴル日記(285)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて33 】

北モンゴル最奥部を訪ねて33

北モンゴル最奥部を訪ねて33

 峠からの下り道で、周辺の森の縁や樹間にはこうしたタカネバラ(タカネイバラ)の仲間があちこちで咲いていた。前号で書いたハマナスに似た花というのはこれだった。

 昨年夏に訪ねたモンゴル中北部エグ川の流域では、この花をたびたび見かけた。というか、群落をなしていた場所もあった。だからそれに比べたら、こちらでのタカネバラの分布は少ないという印象である。だいいち今回の旅ではここでしか見なかった。

 上の写真のように花色はピンクで、これが普通だと思う。森の縁や日あたりが悪くない道の脇などで、小さい集まりをつくっていた。また,帯状に生えていた場所もあった。

 そんな中で下の写真のように、濃いピンクの花が一輪 見られた。これは別の種ではなく、おそらく突然変異だろう。ピンクの花々の中に、こうした濃い花色だから目立った。サーッと周辺を見てまわったが、この一輪だけだった。

 ところで,峠で長い休憩を取ってまもないのに、なぜこうして筆者が”花探索”の時間を得たのか?実は今回のメンバーは皆、筆者が花関係のビジネスをやっていることは知っていた。先導車のBa氏もご存じだった。その彼が、長い道中だから一回くらい筆者に花を見せる時間を与えよう、という考えになったらしい。それでクルマを止めてくれたようだ。

今回もいろんな好意や善意に助けられた。やはり 日々好日、日々感謝。 (K.M)

(562) モンゴル日記(277)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて25 】

北モンゴル最奥部を訪ねて25

北モンゴル最奥部を訪ねて25

 水の難所を乗り切ったら、今度は道がごつごつした路面に変わった。岩石混じりなのだ。そんな路傍に地味な花が咲いていた。それが上の写真で、これが何とデルフィニウムの仲間だという。一見して、それとは思えない花色だった。

 デルフィニウムというのは、これまで青い花の代表格だと思っていた。それが見過ごしそうなくすんだ焦げ茶のような花色で、草姿もさえない感じなのだ。だから、そばを走っていても最初のうちはこの植物の存在すら気づかなかった。

 そのデルフィニウムの原っぱを過ぎると、まもなく目の前にとても美しい景観が現れた(下の写真)。清流に突き出た見事な岩壁である。そそり立つ断崖は川の流れと融合した絶景だった。高さは10メートル前後、長さも数十メートルはあろう。

 さて,この絶景が仮に日本ならば、”北モンゴル屏風岩”とでも名付けているかも知れない。しかし,こちらの人たちは特定のモノ(岩とか樹木など)に、そうした呼び名や愛称を付けるということはあまりしないようだ。だから,これほどの風景なのだが、名前がないらしい。

 ただ,この奇観に魅せられたのだろう。親友B氏もこれを何枚か写真におさめていた。ということは、こうした自然景観に対する美的感覚は日・蒙であまり差はないのかも知れない。

この景観に見とれていたら、今度は怪しげな橋が行く手に現れた。次々課題、次々解決?! (K.M)

【号外】NHKが再放送!(559)号で紹介したアネハヅルに関するテレビ放送『アネハヅル 驚異のヒマラヤ越えを追う』⇒10月17日(月)午後8時~ NHK BSプレミアム

(537) モンゴル日記(252)

【 中国からの輸入品 ② 】

 

 この写真の鉢物も社員のT嬢が中国から仕入れたものだ。左は五色トウガラシ。これは以前,中国に視察に出かけたときにすでに市場で見かけた。

 ところで,その中国行きのことについて少し書く。2014年5月12,13日の1泊2日、パートナーのD社長,社員のT嬢それに筆者の3人で北京に行って来た。筆者は日本から向かったものではなく、ちょうどモンゴル滞在中で、そのときにD社長から突然 提案された。

 日本への帰国はまだ日があった。それに2日間の旅程だったので、入国許可等で問題がなければ、そのお誘いに乗ることにした。中国視察をするのは、1999年の昆明花博以来だった。だから,中国の花産業の現況を見たいという思いもあった。それで強行軍だったが、出かけた。その結果,多くの情報を得てきたし、輸入システムもつくってきた。とは言え、その骨組みはD社長が長年にわたって築いてきたものだった。

 さて右はハツユキカズラである。これにはちょっと驚いた。なぜならこれは,その北京視察の際には1鉢も目にしなかったからだ。だから、その後に本格的な生産・流通が始められたと考えられる。まァ丈夫な植物だから、栽培しやすいこともあるのだろうが。

(※定例公開日が遅れました。実はこの10日から出かけた北モンゴルより、さっき戻ってきたばかりなのです!!)

北モンゴルでは 日々おどろき、日々感謝。 (K.M)

(536) モンゴル日記(251)

【 中国からの輸入品 ① 】

 

 フジガーデンは日本産の花卉を栽培し販売するのを基本にしている。その方針は6月頃までは通せる。けれど,7月以降はそれが難しくなってくる。つまり実際のところ、日本産以外の植物を扱わなくてはならなくなる。

 その理由は、日本からの植物の輸出適期が冬から春にかけてだけ、だからだ。植物が休眠状態のときに動かすわけで、根洗いをし植物防疫所の検査を経て、航空貨物として輸出先のフジガーデン側に渡す。この時期ならば、このプロセスで10日ほどかかってもほぼ大丈夫だった。多くの輸出植物が何とか持った。

 経験的には4月初旬までならば、何とか輸出(輸入)できる。そして、これらの輸入した植物をウランバートルの越冬温室で数ヶ月間 栽培し、商品に仕立てる。それが6月頃までなのだ。

 だから前述したように7月以降になると、そうはいかなくなる。この時期になると、やはり中国産の鉢物に目が向く。その中国産鉢物は近ごろ価格が安いというだけではない。その植物の多様さ,品質の確かさといった点でも、以前のイメージを払拭している。また,手続きや輸送の面でも利用しやすい。

 写真はいずれも社員のT嬢が北京に出かけ、仕入れてきた植物なのだ。写真左はハッカと思われる。写真右は「黄金柏」と札も付いており、カシワ類なのだろう。

何とか工夫をしながら、日本産を少しでも増やしていこう。 日々考日、日々観察。 (K.M)

(535) モンゴル日記(250)

【 ツクモグサ 】

 

 以前“エグ川めざして”のシリーズで、オキナグサについて記した。その仲間はオキナグサ属(Pulsatillaプルサティラ)に分類される。モンゴルにはその仲間が数種類あるらしい、とも書いた。てっきり希少な植物かと思っていたが、モンゴルではそうでもないらしい。

 写真はそのオキナグサの近縁種で、日本名でいうと、同属のツクモグサと思われる。モンゴルでは、首都 ウランバートルでもこれをよく目にするという。時期になると、周囲の山に足を踏み入れるだけで、この花が見られるらしい。親友B氏の話である。実はこの写真も彼が最近 送ってきたものだ。

 日本では、ツクモグサは限られた高山にしか生えていない。いわば貴重な高山植物といってよい。それがあの国ではあちこちに生えているらしく、モンゴルの人たちにとってツクモグサは特別な野草ではないようだ。彼らにとってはおなじみの花らしい。”ヤルギ”と発音するのだろうか,正確な読み方は知らないが、Yarguiと呼ばれている。これもB氏の話で、彼にはじめて「オキナグサ」の写真を見せたら、「なんだ、Yarguiのことですね」という反応だった。

 考えてみたら、ウランバートルは標高1,300m、北緯が樺太の南部と同じくらいなのだった。そうか・・・。

7月にはまたモンゴルに渡り、フブスグル県で野草観察の日々を送る予定だ。日々花日、日々観賞。 (K.M)

(534) モンゴル日記(249)

【 婦人デー以後 ④ 】

 

 写真左は去年 日本から輸入した花木だ。モノは矮性サルスベリで、これも基本的にはこっちで売れるかどうか探るために入れたものだ。ただ少しの期間だったが,去年の夏の終わり頃に、花の咲いたものを店頭に並べてみた。けれど,反応はサッパリ。やはり,よく知らない植物には手を出さない、という傾向があるようだ。

 ところで,写真左の奥にスコップが写っている。一応 売り物なのだが、置き方はうまくないとは思う。しかし実はこれ,モンゴルではなかなか手に入らないと聞き、三条市のメーカーから買い入れたものだ。剣スコ,角スコともに5丁づつ仕入れた。ひょっとして短期間で売れるかも?!とソロバンをはじいた。しかし,3年がかりで3丁づつしか売れていない。

 一方,写真右はグリーン・ネックレスである。もともとの苗は,2年前に北京から入れたものだ。それがなかなか強健であり、よく増える。けれど,店に出してよく売れるというほどではなかった。そこで今年は社員のT嬢が手を入れた。彼女は伸びすぎた枝を切り詰め、小ぎれいなプラ鉢に植えかえた。また,一鉢には挿しラベルを立てて、再び店頭に置いた。その挿しラベルはPCを利用した手づくりのものだった。なかなかどうして、彼女はこうした気の利いた”才能”を持っている。

さーて,これらは今年どんな販売成績を示すだろうか?前号と同じく  日々心配、日々勘定。 (K.M)

(533) モンゴル日記(248)

【 婦人デー以後 ③ 】

 

 写真は左・右とも日本から輸入したアジサイ苗のようすだ。場所はフジガーデンの温室である。

 写真左はふつうのアジサイ Hydrangea。今年で販売3年目になるが、まァ売れている。それで今年も輸入したのだが。蕾のふくらみがはっきりと確認できるくらいになるまで、温室で育てる。そして,進んだものからショップに運び入れる。

 一方、写真右は日本で常山アジサイと呼ばれているDichroaである。厳密にいうと、アジサイ属Hydrangeaとは違う。今回はじめて輸入してみた。色んな意味で実験をしようと思ったのだ。しかし,輸入して税関で品物を受け取ってからしばらくの間、ようすが良くなかった。けれど,それも克服し多くが元気になった。だから 日本での根洗いから,輸出,こちらでの荷受け,温室栽培までのプロセスは、何とか乗りこえるように思う。課題は,最終的にこちらのお客さんが買ってくれるかどうか?だ。

 常山アジサイのセールスポイントは常緑で、花も咲くし実もつく点だろう。とは言え,モンゴルの人たちは知らないモノには手を出さない傾向がある。また いくつかの観賞ポイントがあるにせよ、まず花が大きくなく、さらに派手でないのは不利だ。だいたい小さい花は不人気で,花色は中間色が好かれない。

店頭に並べ,咲き出して1,2週間で反応が出るだろう。 日々心配、日々感傷(日々勘定)。 (K.M)

(532) モンゴル日記(247)

【 婦人デー以後 ② 】

 

 以前,モンゴルの親友B氏が、「モンゴルにも桜があるんですよ」と言っていた。その時は「ほんとですか・・・?!」と、疑った。サクラについて、筆者は多くの知識を持っていない。しかし,1月にはマイナス40℃になることもある寒さ厳しいモンゴルで、サクラが咲くなんて信じられない。その頃はそう考えていた。

 ところがその後,現物を見る機会があった。それはウランバートルの緑地の一角に植わっていた。花そのものは八重ザクラに近いが、姿カタチが大きく違う。まず高木ではない。株立ち状になった低木なのだ。まさに上の写真の通り。日本人がふつう抱く桜のイメージとはかけ離れている。広く言うと、サクラの仲間かも知れないが・・・ひょっとしたらニワウメとか、そうした種類かも知れない・・・。

 それで帰国してから、いつものようにO先生にお聞きした。「写真で見る限り、ニワザクラの仲間でしょうねェ」。筆者の推測が大きく外れてはいなかったようだ。文献によれば、ニワザクラ Prunus glandulosa はニワウメ Prunus japonica と近縁だという。そして、その原産地は中国中部,北部という。これならあり得る。

掲げた左右の写真とも、そのニワザクラと思われる。花は八重で色は白かピンクだから、たぶんそうだろう。

上の写真は,親友B氏が5月に送って来たものだ。日々桜日、日々感謝。 (K.M)

(530) モンゴル日記(245)

【 今年の春 ⑦ 】

 

 写真はいずれも前号で触れた植物である。温室で1ヶ月前後にわたり栽培した商品を、ガーデンセンターのわがショップに並べたようすだ。写真左の手前は花が開きはじめたアザレアである。これは輸出試験も兼ねたもので、結果的には一鉢も落ちこぼれなく無事に届いた。

 けれども,温室でうまく育たなかったアザレアもあった。また,写真でも分かるように、こうして置かれたものの中にも枝枯れがある株もあった。また,用土のピートモスがプラ鉢に充分入れられてないものも目立つ。これは現地の栽培に携わる人たちに対して、筆者の指導が浸透していなかった結果だろうと思う。残念だが,もっと徹底しなければ・・・。

 ところで写真右は同様にツボミがふくらみ、開花を待つばかりのボケである。以前にも書いたことだが、この状態ではあまり売れない。モンゴルの消費者は、もう少し蕾が開かないと手を出さない。あるいは満開に近くないと、買って行く人が少ない。この点は日本の消費者とはっきり違う。

 さて売れ行きについては、婦人デー当日を含め3月6,7,8の3日間は悪くはなかった。問題はそれ以降だ!モンゴルの景気は依然として良くならない。いやむしろ、より悪くなっているように感じる。違う分野で日・蒙合弁事業に取り組んでいるN社も、営業成績が悪くなっているという。

4月の売上げ報告が気になるところだ。でも日々好日、日々感謝。 (K.M)