(11) ある日の明け方の空

ある朝の月と金星

 寒いけれど、風もない穏やかな明け方。まだ外は薄暗いが、雪は降っていない。雲が少なく、空は冴えているようだ。 ウォーキングの身づくろいを整え、さあ出発しようと玄関を飛び出した。そのとたん、目に入ってきたのはひときわ輝く星と、ほぼその真下の月である。空の上下にきれいに配置された”明けの明星”と三日月が、屋根の向うに浮かんでいるではないか。 あわてて部屋に戻り、カメラを持って来る。そして、2度シャッターを押した。こんな光景は子供の頃以来、見たことがないような気がする。デジャヴュだろうか。

 その空の景色はあくまでも清らかで、神秘的ですらあった。ふだんはじっくり眺めることのない明け方の空だったが、この時ばかりは特別だった。平成23年元旦、午前6時37分のことであった。

日々好日、日々感謝。  (E.O)