(48) 月に松

月と松

 やっと、まともな月らしい写真が撮れた。満月に近い美しい月だった。

 これまでお月様の写真は数回載せた。しかし、月が小さ過ぎたり、水面に映った月だったが画像が崩れていたりとか。いずれも説明がなければ分かりづらかった。狙いは悪くはなかったのだが、ツキが無かった・・・などとは言わない。ただ単に、カメラと腕のレベルが低かっただけなのだろう。 

 ところが、今回はそんな心配をしなくても、見事な月がカメラにおさまった。きっとタイミングが良かったのだろう。まともに写った味わい深い一枚である。

 この時の月はしばし見上げていると、まさに絵にしたいような、心が吸い込まれるような月だった。こうした味わいを画趣と言うのだろうか。

 ところで こんな風にして、月をじっくりと眺める事など何十年もなかった。正直言うと、きっかけはこのブログの表題を『花鳥風月・・・人』としたからだ。この中に”月”も入っているので、たまには取り上げなければならないと考えたからだ。

 けれど、これが結果的にありがたかった。たまに お月様を拝むのは良いものだ。満月,半月,三日月・・・新潟の月,ハバロフスクの月,ウランバートルの月・・・。今風ならばバードウォッチングならぬ“ムーンウォッチング”と表現すればよいのかもしれない。しかし、あえて“月見”という言葉を用いて、それをお薦めしたい。月を眺めていると心が落ち着く。とくに満月を見つめていると、心がまあるくなって来る。

 「月光の つきぬけてくる 樹の匂い」   (桂 信子) 

月々好月、月々感謝。 (E.O)