まるで何十人ものバレリーナが踊っているようだ。ありふれた植物ではあるが、惹かれるところがある。面積数㎡の小さな群落ではあるが、改めて見ると存在感もある。
野草と言っても、ドクダミは地味ではあるが魅力ある草姿と花である。花組みも色彩も明快ですっきりしている。それに花数が多い。そして今回気づいたが、開花期間がなかなか長いのである。写真のものでも2週間以上は咲き続けている。
ところで、実は白い4枚の花弁に見えるのは苞(総苞)なのだそうだ。蕾を包んで保護する葉の一種である。だから正確に言うなら、花は薄黄色の穂状になっている部分だけである。拡大写真の方をよく見ると、この白い苞が蕾をすっぽり包み、丸い玉のようになっている姿が散見できる。
ドクダミ科の植物は日本では2属2種しかない。一つはこのドクダミ属のドクダミであり、もう一つがハンゲショウ属のハンゲショウである。いずれも1属1種なので、他に仲間がいない。 確かに両者の花穂は少し似ている。
ドクダミの臭いも筆者は嫌いというわけではない。だいたい小さい頃、ショウブ湯ほどではなかったが、実家の木の風呂でドクダミ湯に漬かった記憶がある。親が何かの効能を期待して入れたのだろう。ひょっとして素行の悪さを矯正しようとして、そうしたのかもしれない。
かつて欧州へ度々出かけていた時期があった。その頃オランダや英国では勿論、アイルランドあたりでも業者の圃場で五色ドクダミをよく見かけた。気候の違いだろう、それらの葉は日本より鮮やかな赤や黄色を帯びていた。今でも売れているのだろうか。
ありふれた花でもあれば 日々好日、日々感謝。 (E.O)

