何も好き好んでこんな所に入り込まなくてもよかろうに・・・。蛙が朝の玄関の戸に張り付いていた。
カエルについてはよく知らない。アカガエルの仲間だろうか?残念ながら、図鑑にはピッタシ該当するものが載っていなかった。
それはともかく この蛙、ガラスと格子の狭い間に、身体を挟んでいるのである。誤って入り込んで、抜け出られないのかも知れない。しかし、プロだからそんな事はあるまい。何か夕べから悩み事があって、こうしているのかも知れない。
興味と若干の哀れみで、脱出させてやろうと指で試みた。しかし、ガラスと格子のすき間が狭く、筆者の指が入らない。ダメだ。朝の出社前だったので、それ以上構わずに事務所に向った。
けれど、昼に自宅に戻ってきたら、彼(彼女)はどこかに姿を消していた。ホッとした。
ところで 蛙というと、反射的に詩人=草野心平を思い浮かべる。若い頃に、変な詩人がいるもんだなァと感心しながら、読み漁った時期があった。とくに、蛙をテーマにしたものがあったが、独自の世界を繰り広げていた。『冬眠』と名付けられた詩は黒丸が一つあるだけ。とても印象深かった。その彼の詩の一編を下に掲げる。
『秋の夜の会話 さむいね。/ああさむいね。/虫がないてるね。/ああ虫がないてるね。/もうすぐ土の中だね。/土の中はいやだね。/痩せたね。/君もずいぶん痩せたね。/どこがこんなに切ないんだろうね。/腹だろうかね。/腹とったら死ぬだろうね。/死にたかあないね。/さむいね。/ああ虫がないてるね。』
花だけじゃなく蛙もいるから 日々好日、日々感謝。 (E.O)
