(256) バードウォッチング

バードウォッチング

 生まれて初めて、バードウォッチングに行った。誘ってくれたのは、この欄でお馴染みの鳥博士である。写真は、そのとき池に飛来していたオオバンだ(写真中央)。場所は、周囲を丘陵に囲まれた県立植物園である。

 日曜の朝、すこーし雨が落ちていた。が、その雨も止んだので、ウォッチング開始。園地の中の遊歩道を、双眼鏡を首からぶら下げながら、ゆっくりと博士と共に歩き始めた。バードウォッチングでは双眼鏡は必需品らしいが、知らなかった。けれど、そんな事も想定していたのだろう、博士が余分に持参したものを貸してくれた。

 ときどき博士が歩みを止め、耳を澄ました。そして、鳴き声から鳥の種類を特定し、簡単な説明をしてくれる。その時に挙がった野鳥は、シジュウカラ,ミソサザイ,ツグミ,モズ,コゲラなどであった。けれど、その全ての姿を目撃したわけではない。博士の話では、囀りは聞こえるが、姿を確認できない場合も多いという。

 日曜の朝だったので、その遊歩道をウォーキングやジョギングに励む人々も何組かあった。彼らの多くとは、どちらからともなく挨拶を交わした。それも気持ちの良いものだった。

 ところで、植物園の敷地の中央に池があり、この時期はコガモやマガモに占領されている。それでも博士は双眼鏡を覗きながら、じっくり水面を見まわした。「今日は変わった水鳥はいないようですね・・・。ああっ、でもオオバンがいましたよ、一羽ですが」。ということで、今回撮れた唯一の鳥の写真がこれである。

良い年をお迎えください、では。 年々好年、年々感謝。 (E.O)

(255) レモンイエローの存在感

オニユズ画像

 巨大な柑橘類、オニユズである。初めて目にした。

 仏手柑(ぶしゅかん)を初めて見た時も驚いたが、これにもびっくりした。飾ってあった場所は、ときどき行く飲み屋さんの玄関である。“先輩”のフクロウや招き猫を隅に追いやって、ドデーンと座っていた。ミカン科ミカン属の果実で、シシユズと呼ばれることもある。

 入口でこの果実を興味深く観察していたら、後日ご主人の好意で同じくらいのオニユズを頂いた。それが現在、事務所のカウンターに置かれている。

 何度も見ているうちに、いろいろ調べてみたくなった。まず身体測定である。直径20cm、重さは900gもあった。また、いくつかの関係データもあたった。その結果、①原産は中国であること、②奈良時代に渡来したこと、③ユズという名が付いているが、ブンタンの仲 間であること、等が分かった。

 頂いた時には所々に緑色も残っていたが、しだいに鮮やかなレモンイエローに変わった。ただ、ここ二,三日は茶色の部分がわずかに現れてきた。もう、終わり頃だろうか。

 飲み屋さんにあった果実も、いま事務所にある果実も、同じ木からもいだものだという。尋ねてもらったら、そのオニユズの樹齢は30~35年だという。やはり時間が掛かっているのだ。

 この実を自宅に持ち帰り、眺めながら一人酒をやっていると、哲学的な思いが浮かんでくる。花とは違う意味で、こうした造形物も人の領域ではなく、神の領域の産物ではないのか、と。

ところで、夕べ今年最後の忘年会を終えた。今年もよく飲んで 日々好日、日々感謝。 (E.O)

(254) オナガ

オナガ

 写真はオナガである。番いかどうかは分からない。先月からときどき、裏庭(いや裏藪)にある二本の柿の木に飛来していた。けれど、この二羽は今月に入ってやって来た。ただし彼らは、柿の実を食べに寄ったのではなかったようだ。数羽づつ代わる代わるに飛んで来ては、遊び騒いでいるのか(?)、止まる枝をあちこち替えながら、長居はせずに飛び去った。

 オナガという断定に一応自信はあったが、念のためにいつもの鳥博士に確認をお願いした。その結果、間違ってはいなかった。体長は30cmくらいだろうか。鳥図鑑には40cmという解説もあったが。姿・形や羽の色合いは魅力的である。頭部は半分ほどが黒い。また写真に写った白っぽい腹側よりは、薄い灰色と青色を帯びた背側が美しい。尾羽が長くスキッとしていて、先の部分が白い。渋い色調で、なかなか上品さも感じさせる。

 動作はきびきびしており、すばやい。ただ、鳴き声を美しいと感じる人は少ないのではないか。「ギャーイ,ギャイ,ギャイ」というような、けたたましい声をあげる。けれど聞いたことはないが、繁殖時期の番いは、かわいらしい鳴き声を交わすという。分類上は、カラス科の野鳥である。

 ところで、この鳥の世界的な分布が、ユーラシア大陸の東西の両端に見られるというから面白い。すなわち東端は日本とロシア東部,中国東部であり、西端はイベリア半島の一部だという。なお近年、西日本では1980年代以降、繁殖が確認されていないという。

高貴さすら感じさせる野鳥だが、気性は激しいらしい。 日々好日、日々感謝。 (E.O)

(253) 朝日連峰

朝日連峰

朝日連峰

 今月1日に降った初雪が、ほぼ消えた3日のこと。気温が1℃しかなく、寒い朝だった。しかし、午前中はよく晴れ上がった。こんなに青空で見晴らしのよい冬の日は珍しい。だから、はるか彼方に雪化粧した朝日連峰を眺めることができた。それで、お昼にカメラを持って撮影したのがこの写真だ。けれど天気予報通りに、午後になってからは曇ってきた。

 新潟平野の真ん中とも言うべきこの地から、朝日連峰がきれいに望めるのは一年のうちでもそう無いだろう。北東の方角に、直線距離にしておおよそ90kmはあろうか。だから、飯豊連峰ほどには姿を見る機会がない。だからこそ、この風景にはちょっと感激した。

 この朝日と飯豊という二つの山並みは、日本海に注ぐ荒川によって北と南に分断されている。しかし、この二つは成因や地質の面でもよく似ており、兄弟のような間柄らしい。それに両方とも、冬は日本海からの強い季節風にさらされる。そのため森林限界が低く、自然条件は北アルプスの3000mクラスの山々と変わりがないと言われている。

 若い頃、飯豊連峰には登頂したことはなかったが、途中まで登ったことはある。しかし、この朝日連峰には麓にすら近づいたことがない。標高では大朝日岳が1870mで最高峰だが、2000mには達しない。しかし、飯豊と同様に山が深く、登るにはなかなかきつい、と多くの解説書には書かれている。(下の写真に写った最も高い山が、大朝日岳と思われる。)

朝日連峰は憧れのままで、もう挑めないだろう。でも、眺めることができるので 日々好日、日々感謝。 (E.O)

(252) ユリ “ヴェンドーム”

ユリ“ベンドーム”

ユリ“ベンドーム”2

 写真のユリは“ヴェンドーム(ベンドーム)”という品種である。上向きに咲くオリエンタル系大輪で、いくつかの注目すべき特長を持っている。

 オリエンタル系と言っても、今や品種数が多く、国内で流通しているものでも、数百はあろう。そして 最近はこの最新品種も含め、大輪で上向きのタイプも少なくない。ただ、この上向き・横向きも絶対的なものではないようだ。実際に栽培する人たちに聞くと、上向きタイプとされる品種でも、夏の暑いときには横向きになる場合があるという。まあ、それが冬には上向きに戻るらしいが。

 さて、このヴェンドームの花である。まず注目したいのは、このふっくらとした蕾だ。写真下の通りである。こうした“ふっくら蕾”の品種は他にもない訳ではないが、ごく少ない。また このヴェンドームは花粉がない。不稔なのである。これは特筆すべき点である。ご存知のように、ユリの花粉はいったん付着したらなかなか落ちないのだ。

 ヴェンドームの次なる特長は、咲いてきても花弁が開ききらず、角度にして120°くらいで止まる点である。ベタッと180°まで開ききらない。だから 花が終わり頃になっても、だらしない印象を受けない。

 今のところ生産本数はごく少なく、おそらく全国でも数人の生産者しかいないのではないか。しかし近いうちに、有望な品種として迎えられる可能性が高いと考えている。

 なお、このヴェンドームという名称はフランス中部の地名らしい。

この業界に入るまで、オリエンタルはカレーのブランドだと思っていた。 日々好日、日々感謝。 (E.O)

(251) 柿の木への来客②

柿喰う鳥

柿喰う鳥

 写真の鳥はムクドリだと思った。けれど 万が一コムクドリかも知れないので、念のために例の鳥博士にお尋ねした。その結果、間違いなかった。

 その際、コムクドリのことについても小講義を受けた。それによれば、彼らは夏鳥なのだそうで、夏ならこの辺でも公園の木立ちなどでも見かけることがあるという。ただし今の時期だと、もうほとんどお目にかかれないとのお話。

 さて、ムクドリである。彼らは数羽でやって来て、ある種 堂々と柿を啄ばんでいく。メジロと比べると、せわしない食べ方はしない。おどおどした素振りなどは見せず、落ち着いている。ただ、ときどき例のギャアギャアという喚き声をあげるが。

 撮影の際はメジロにもこのムクドリにも、家の中からガラス戸越しにそっとカメラを向けた。しかし、カメラを構え直すのに少し体を動かしただけで、メジロはすぐ逃げた。彼らは感知するのだろうか?それに対して、ムクドリはこうした動作にはそれほど反応しない。ただし 足もとの段差によろめいて、ドタッと音を立てた時には飛び去った。

 だから、メジロほどではないが、満足のいく写真を撮るのには苦労した。この二枚の写真を得るのに、何枚撮影したことか。結局、これにも3日ほど費やしたろう。写真家やカメラマニアがときどき語るように、やはり決定的瞬間を捉えるには忍耐力が必要だ。

 ところで先日、鳥博士と約束した。近いうちにバードウォッチングに連れて行ってもらうことを。密かな楽しみが出来た。

ムクドリは今月に入っても、たまに顔を見せる。日々好日、日々感謝。 (E.O)

(250) 柿の木への来客①

柿喰う鳥

柿喰う鳥

 11月、わが家の実をつけた柿の木にはいろんな野鳥がやって来た。メジロ,ムクドリ,オナガ等々。とくにメジロは雨の日でも風の日でも、ひどくなければ食べに寄った。写真は上・下とも同じメジロである。

 喰いっぷりも回数も、彼らメジロが一番だった。それが同じ群れかどうかは分からないが、一日のうちでも何度か姿を見せた。休日には朝食の時にも昼食の時にも、 柿を啄ばむ彼らをたびたび目にした。

 やはり 彼らのために柿を残しておいて良かった。・・・嘘である、そんな天使のような、あるいは風流人のような心は持たない。だいたい筆者は、一度も柿を食べたいと思ったことがない。柿を好む配偶者や兄夫婦が一生懸命もいでも、枝先の実は取るのに苦労する。そして、どうしてももぎ取ることができず、かなりの数の実が枝に付いたままとなる。それが結果として、彼らへのプレゼントとなる。

 ところで メジロはたいてい十羽前後の群れでさっとやって来て、さっと去って行く。しかし 見ていると落ち着きがなく、ひじょうにせわしない。だから、柿の実を突っつく場面をまともに撮るのに苦労した。結局、ここに載せた2枚の写真のために、シャッターチャンスを求めて何日か費やした。

 毎日こんなにも鳥たちが通って来て、下の写真のように逆さになってでも啄ばむ姿を見ていたら、気持ちが変わった。こんなに必死なんだもの、来年以降も必ず柿を残さねば・・・。それにしても葉が落ちてから、メジロはあまり姿を見せないなぁ・・・。

“ 誰がために柿はなる ”。 日々好日、日々感謝。 (E.O)

(249) 山茶花、屋根雪、曇り空

サザンカ、屋根雪、曇り空

サザンカ、屋根雪、曇り空

 ♫さざんか~、やねゆ~き、く~も~り~ぞ~ら~・・・何だか「北国の春」の歌詞みたいになってしまった。サザンカの花、屋根に乗った雪、青空が見えない曇天。だいたい12月に入ると、新潟でふつうに見られる風景だ。写真は前日に初雪が降り、数センチ積もった2日の自宅の裏と屋根の様子である。

 しかし これが大雪になると、絶え間なく降る雪が、屋根や木・枝に厚く積もり、サザンカの花も屋根の瓦も見えなくなってしまう。空は恨めしい鉛色と化す。そうなると、筆者でさえも雪は厄介なモノと思うようになる。今年2月、ハウスとハウスの間に積もった高さ1.5m以上の雪を一日がかりで捨てた。6,7人の共同作業だったが、あの時はバテた。けれど、晩の熱燗がうまかったことも覚えている。

 ところで 新潟の県民気質というものが語られる場合、冬の新潟の気候と関係づけられることが少なくない。まず 晩秋から春先まで、青空がなかなか拝めなくなる。また積雪は免れず、多い所では3,4mにも達する。いわば雪に閉じ込められた生活を何ヶ月も強いられるのだ。長年のそうした暮らしから、新潟人は辛抱強さや忍耐力を身につけ、それが気質にまでなったという訳だ。そうした事と関係があるのだろうか、離婚率は全国最低を保っている。

 ただ筆者の場合は、伊豆の血が半分流れている。だから、自分で言うのも変だが、少しは我慢強いものの、これに“コンジョよし”(お人よし)という性格が加味されているようだ。

起きたら、今朝は30㎝は積もっている!! それでも 日々好日、日々感謝。 (E.O)

(248) 初雪

初雪とバッタ

 今月1日は予報の通り、初雪となった。写真は、玄関の石段脇に積もった雪に、何処からかさまよい出て来たバッタが、哀れ力尽きた姿だ。・・・と、それは冗談。実はイグサか何かでこしらえた細工物のバッタである。素朴だが味があり、よく出来ていた。先月、農場見学に訪れた方から頂いたものだ。

 初冬に雪が積もり始めると、正直 今でも迷惑な思いより楽しさを覚える。本来、雪はどこか心躍らせるものだと思う。とくに子供たちにとっては。突然、真っ白い非日常の世界が出現するんだもの。

 それが大人になると、多くの人は雪を厄介モノとして捉えるようになる。積雪は交通の障害となり、園芸屋にとっても施設の脅威となる。短時間で多く積もる雪や、低温で融けずに積もっていく雪は、ビニールハウスや温室を傷めたり潰すことがある。でも、雪は嫌いではない。また最近は、積雪のさまざまな利用を図る利雪という試みも出てきている。

 今年の初雪はいきなり降って来て、いきなり積もった。たいてい前もって、初雪の前にあられやみぞれが数回やって来て、それから雪に変わるものだ。しかし、今回は一気にやって来た。

 午前から降り始めて、数センチの積雪となった。タカをくくって、クルマで用事に出かけた。行きは何事も無かったが、 帰り道に左折をしようとハンドルを切った。すると、タイヤが滑り始めた。止まらない!「おおっ、やばっ!」1m近く流れたろうか。が、停止した。ちょっと恐怖を感じ、やむなく戻ってからタイヤ交換をした。

初雪を 受け止め それでも 日々好日、日々感謝。 (E.O)

(247) 雨雲と朝日、そしてススキ

雲から朝日そしてススキ

雲から朝日そしてススキ

 こんな日の出の風景は、一年を通して何度も目にすることはないだろう。越後山脈の低い山並みに、厚い雨雲が広く低く垂れ込めていた。おそ らく、その雲の下の地域は激しい雨だろう。「変わった景色だなァ」ちょっと不気味な雰囲気が漂うけれど、輝きながら柿色を帯びていく日の出はなかなか見事だった。(ただし、ここに載せた写真では、その色調がうまく表れていないが。)11月中旬、時刻は午前6時半頃である。

 この二枚の写真は時間の前後で言うと、下の写真は上よりわずかに早い。早朝クルマでいなか道を走っていて、ゆっくりカーブを曲がろうとした時、このススキが目に 飛び込んだ。枯れススキとまではいかないが、穂がそろそろ侘しい姿になってきた。その風情に何となく惹かれて、撮影したのだ。

 その後 クルマを進めて1,2分、その間にも周囲が明るくなってきた。太陽はその雨雲から頭を出す直前だった。そこで、カメラのシャッターを押したのが上の写真だ。その時、雨雲の手前に黒々とした新津丘陵が横たわっていた。そのまた手前で、白く光っていたのは二棟のビニールハウスである。あの辺りのハウスは、場所がら花作りではなく野菜作りのそれだろう。

 それにしても、今の時期は太陽の上る位置がずいぶん南に来ている。やはり冬に向かっているのだ。真夏なら、ずーっと北側の飯豊(いいで)連峰から顔を出すのに。その2,000m前後の山並みは、すでに白く変貌している。

一昨日には当地でも初雪があり、慌てて車のタイヤを換えた。が、既に消えた。 日々好日、日々感謝。 (E.O)