写真のユリは“ヴェンドーム(ベンドーム)”という品種である。上向きに咲くオリエンタル系大輪で、いくつかの注目すべき特長を持っている。
オリエンタル系と言っても、今や品種数が多く、国内で流通しているものでも、数百はあろう。そして 最近はこの最新品種も含め、大輪で上向きのタイプも少なくない。ただ、この上向き・横向きも絶対的なものではないようだ。実際に栽培する人たちに聞くと、上向きタイプとされる品種でも、夏の暑いときには横向きになる場合があるという。まあ、それが冬には上向きに戻るらしいが。
さて、このヴェンドームの花である。まず注目したいのは、このふっくらとした蕾だ。写真下の通りである。こうした“ふっくら蕾”の品種は他にもない訳ではないが、ごく少ない。また このヴェンドームは花粉がない。不稔なのである。これは特筆すべき点である。ご存知のように、ユリの花粉はいったん付着したらなかなか落ちないのだ。
ヴェンドームの次なる特長は、咲いてきても花弁が開ききらず、角度にして120°くらいで止まる点である。ベタッと180°まで開ききらない。だから 花が終わり頃になっても、だらしない印象を受けない。
今のところ生産本数はごく少なく、おそらく全国でも数人の生産者しかいないのではないか。しかし近いうちに、有望な品種として迎えられる可能性が高いと考えている。
なお、このヴェンドームという名称はフランス中部の地名らしい。
この業界に入るまで、オリエンタルはカレーのブランドだと思っていた。 日々好日、日々感謝。 (E.O)

