(269) 丸岡城②

丸岡城

丸岡城

  写真上は天守三階から丸岡の南部方面を望んだもの、 写真下はその三階の内部の様子で、正面奥に後述する階段の補助ロープも見える。

 やや急な石段を上って、天守の内部に入る。建築の規模からしても、中は当然広くない。それに一階から二階に上がる階段は、かなり急である。さらに二階から三階に上がる階段は、勾配が急なだけでなく幅が狭い。一人づつしか上がれない。だから、いずれにも補助のロープが取り付けられている。

 とは言え、天守の中は歴史を身近に感じさせる空間である。この城がたどってきた長い時間、あるいはここで日々を過ごしたり、出入りした人々のことに思いが至る。

 ところで一般的に、城は防衛・軍事上の機能はもちろん(後に薄らぐが)、それらの究極的な目的である地域の安定統治のための拠点であっただろう。そうした点で天守閣には、城主が自分の治める城下・地域を常に眺め、それによって健全な統治者意識を保つ、といった役割があったのではないかと思う。

 さて近年、城を失ったかつての城下町では、地域おこしや地域振興の目的で、その復元をめざす動きが少なくない。それは全国的な流れでもあるようだ。そこには城を復元した暁には、それを名所,旧跡として観光に活用しようという考えがあるのだろう。それのみならず、その地域が自らのアイデンティティの象徴として、心の拠点としてわが城を蘇らせようという、精神的な運動にも通じるようにも思える。今のような時代だからこそ、そうした意味は大きいのではなかろうか。

城にはシロウトだが、日々好日、日々感謝。 (K.M)