(270) 斑入りヒサカキ

斑入りヒサカキ

斑入りヒサカキ

 写真は「残雪」と名付けられた斑入りヒサカキである。筆者は初めて見た。植物の多くには、やはり“斑入り”という形質のものが出現するようだ。

 積雪で外が白い時に、この鉢植えを温室の中で目にすると、名前のせいもあるのか、ちょっと不思議な感覚がする。また 遠くから見ると、さほどきれいには思えなかった。しかし 近づいて観察すると、葉には白っぽい斑とうすい黄色の斑が入り、一枚一枚の模様も違っていて、これはこれで美しい。

 また名前も悪くない。葉に表れる斑の模様からすれば、イメージ的には適切だろう。ところで、葉の斑入りという点以外はヒサカキと変わらないらしい。だから 葉は常緑の小葉で、花も小さい白い花、実も黒紫だという。

 この「残雪」は6号鉢で、樹高35cm,葉張り40cmほど。持ち主にお聞きすると、挿し木用の親木だったものらしい。挿し木で、15年生くらいということだった。だから、安くはなかったらしい。

 ヒサカキの分布は、本州から南西諸島,小笠原,朝鮮半島南部にかけてとされる。そして、この「残雪」も日本産らしいが、詳しい素性は分からない。突然変異なのだろう。一応念のために『園芸植物大事典』(小学館)をあたったら、園芸的な栽培品として二行ほど記載があった。和名はフイリヒサカキ、学名はEurya japonica ‘Variegata’(エウリア・ヤポニカ・ヴァリエガータ)とされていた。ヒサカキの変わりものと言えよう。

人間でも変わり者はいる。だからこそ、シャバの多様性が保たれて 日々好日、日々感謝。 (K.M)