(430) モンゴル日記(145)

 

【 臨時停車② 】

 左右の写真とも、いわばモンゴル式踏切とでも言うべきものだ。前号で書いたが、列車が臨時停車した時の売り場からもっとも近い踏切である。こんな大きな踏切でも、日本のように警報機も遮断機もない。

 写真左は、臨時停車した貨物列車がまだ写っている。だから 道路にはめ込まれたその踏切板が、上がった状態のままなのだ。こうした仕掛けでクルマを進入させない。踏切とはいうものの、いわば車止めである。

 写真右は、列車通過後にそれが閉じた(下がった)直後のようすである。右側に見える緑の屋根の小屋には、踏切番が常時 詰めている。

 ところで前回書いたように、臨時停車した貨車と貨車の間を行き来することも、道路での〝いつでも横断 どこでも横断〟も、自分の意志や判断でやる行為だ。日本でなら危険行為と言われるかも知れない。しかし、自分の意志でやった行為はすべて自分で責任を負うのはあたり前。この国ではそう考えられているようだ。

 だから、日本のように「自己責任」などと随所で叫ばれない。きっと、そんなことをあえて言う必要がないのだろう。ところが日本で時々見られるように、自分でやった行為なのに事故などが起きると 、「おれは悪くない、誰かが悪い、誰かの責任だ・・・」などと言い出す、一種の甘ったれた思考とは縁がない生き方である。

安全も安心も結局は自分で確保しながら 日々好日、日々感謝。 (K.M)

(429) モンゴル日記(144)

 

【 臨時停車① 】

 フジガーデンの売り場にいた時のことである。すぐ裏を走る列車が急停車した。写真は左右ともその場面だ。

 警笛が鳴りつづけ、それと共にブレーキ音も響いてきた。まもなく、列車は止まった。けれど、ドンッ!というような衝突音は聞こえなかった。貨物列車だったが、どうも先頭の方で事故が起きたらしい。その現場を見に行きたい、と思ったが、それより興味深いシーンを目にした。

 それは停車した貨車と貨車の間を、人が行ったり来たりをはじめたのだ。「ええっ!」。こんな光景は日本では見られないだろう。その前に、こうした事態なのだから、日本ならば鉄道当局や警察がまずやって来るだろう。そして、関係者以外の立入禁止措置を講じるにちがいない。それに、またいつ動き出すかもしれないから、そんな行動を起こす人々もいないだろう。

 ところが 写真右の中ほど、列車の前で立ち止まっている数人がいる。そして その左側には貨車と貨車の間を通ろうとしている人の、背中と下半身が見える。信じがたいことだが、やがて何人かがせまい路地を通り抜けるように、次から次へと往来を始めたのだ。

 警察は来ないし、鉄道関係者らしき人も現れない。事故発生によって、関係者がやって来たようすは全くなかった。そのうち、貨物列車は再び動き出した。現場検証などしないのだろうか?

ある意味でふしぎな光景だった。でも 日々好日、日々感謝。 (K.M)

(428) モンゴル日記(143)

【 住めば都 】

 このアパートにウランバートルのわが家がある。こちらに来ると、この9階の部屋で暮らす。面積25㎡ほどだが、生活はできる。バスルームや簡単なキッチンもある。そしてWi-Fiが設置されているので、パソコンがあればたいていのデスクワークはできる。

 毎月モンゴルに通っているが、滞在期間は長いと3週間くらいに及ぶ。だから、ある程度の便利さや快適性は確保したいと考えていた。幸い、立地条件は悪くはない。売り場のあるソヨーチ・ガーデン・センターまで2,3分。ただし 幹線道路を横断しなければならないから、少し緊張感を伴うが。

 近くには横断歩道が無いため、モンゴルの人たちのように〝どこでも横断 いつでも横断〟となる。クルマが激しく行き交うなか、片側3車線の幹線道路を横ぎる。助かるのは、 中央分離帯があることだ。もし一挙に渡りきれない場合、いったんそこにとどまる。そして、再びタイミングをみて横断するのだ。

 ところで、歩いて10分くらいの所にはスーパーがある。そこは食料品だけではなく、簡単な衣料品や電気製品、生活雑貨も売っている。こうした点は便利なのだ。

 ただ、困ったのは部屋のお湯が出ないことだった。夏にはそれが長期間に及んだ。シャワーが使えないというのは、ちょっと滅入る。ときどき発生する停電より悪い。

こっちでは日本で起きないことも起きる。でも 日々好日、日々感謝。 (K.M)

(427) モンゴル日記(142)

 

【 売り場のようす① 】

 写真は左右とも、オープンして間もない売り場のようすだ。この日 開店までには時間があり、T嬢はまだ来ていなかった。それで筆者は、販売品のチェックや鉢植えの水やりをはじめた。その後、それらの花がら取りをして、並べ直しも行った。さいごに、床の掃きそうじだ。

 売れ行きは、スタート時としてはマアマアだろうか。期間全体では目標に近い数字があがっていた。しかし、日本でもそうだろうが、休日とふだんの日ではだいぶ差が出る。もちろん休日の方が売り上げが多い。また、この売上げがずーっと秋まで保てるだろうか・・・?初めての経験なので、心配は消えなかった。

 ところで写真左、手前の花はすでに説明したが、球根ベゴニアとアジサイである。これらはお蔭様で、1日に5鉢以上は売れていた。しかしながら、奥の棚には日本製の陶器鉢を置いたが、これが振るわない。オープンして数週間はたつが、これは一鉢も売れていない。さらに写真の左隅にはスコップ類も並べている。が、これらもまだ数丁しか売れていない。

 一方 売り場右手(写真右)には上段に五色トウガラシを、中段・下段にはミントとラベンダーを並べた。そして、フジガーデンだから、やはり富士山を欠かすわけにはいかない。だから、日本から持ってきた北斎の『凱風快晴』の赤富士も貼った。

毎日売れ行き上々、とはいかないが・・・。日々好日、日々感謝としよう。 (K.M)

(426) モンゴル日記(141)

 

【 ある日の朝食・昼食 】

 写真左は夏のある日の朝食である。ソーメンに納豆,ブロッコリー,ミニトマトそれに牛乳。日蒙の食材がそろった!品数は少ないものの、栄養バランス的にはそう悪くはないと思うが。

 ソーメンはこちらから乾麺を持って行った。それを朝食用に茹でたものだ。麺つゆには海苔も入れた。乾麺は運ぶに便利だが、量が多いと重い。けれど 麺類が好きなので、それもしょうがない。

 こちらで生活を始めたばかりの頃、麺類が食べたくなると、スーパーに並んだラーメンで間に合わせていた。ほとんどが韓国製のインスタント・ラーメンだった。韓国メーカーがベトナムで生産させている製品も少なくない。味は悪くはないが、いつもそれに野菜をたっぷり入れて食べた。

 麺類や納豆などはもちろんモンゴルにはない。こちらから持ち込むしかない。納豆は好きだし、日本にいる場合なら、それにはたいてい刻みネギを入れる。しかし・・・ネギもブロッコリーもミニトマトも、野菜の多くは中国産なのだ。安全性にとても不安を抱く。よーく洗うか、何枚も外側を捨てるようにしている。

 ところで、写真右はその日の昼食である。半日は売り場にいたので、T嬢と相談して宅配ピザをとり寄せた。そのピザがデカいので二人で分けた。脂肪と動物性タンパク質はこれで十分?!

今やKFCに「回る寿司」、そして宅配ピザまであるウランバートルだ。日々好食、日々感謝。 (K.M)

(425) モンゴル日記(140)

モンゴル日記 モンゴル日記

【 変なビル 】

 最初に見た時から、印象が強い建物だった。一見このビルは上の方が折れ曲がっているのではないか、と思わせる。それに、この派手なデザイン。見る人に錯覚や驚きを与える。街のなかでも人目を引く建物なのだ。

 このビルは南北に延びる大通りに面して建っている。高さもあるから、だいぶ遠くからでも認識できる。だから、きっとランドマークにはなっているのだろう。中には様々な会社が入っているオフィスビルだという。

 建築にはまったくの素人だが、ウランバートルにはこうした奇妙なものから美しいものまで、様々な建築物がある。このブログでも以前、瀟洒なウランバートル駅舎について書いたことがある。また、スフバートル広場前のブルースカイ・ビルの写真も紹介した。それはモダンな複合ビルで、朝青龍一家が住んでいると言われるマンションも入っている。

 ところで 親友B氏の話によれば、このビルはまだ建築の許可がおりていないという噂があるらしい。日本では信じられない話だが。とは言え、このビルは見る人たちに楽しさも感じさせてくれる。

 でも右の写真などよーく見ると、やっぱり建物の上端のラインが曲がっているようだが・・・。モノサシをあててみても、真っ直ぐではないことが分かるが・・・。こんど機会があれば、このビルに入ってみたい。

地震もない国だもの、こんなおかしな建物があってもいいよ?! 日々好日、日々感謝。 (K.M)