(429) モンゴル日記(144)

 

【 臨時停車① 】

 フジガーデンの売り場にいた時のことである。すぐ裏を走る列車が急停車した。写真は左右ともその場面だ。

 警笛が鳴りつづけ、それと共にブレーキ音も響いてきた。まもなく、列車は止まった。けれど、ドンッ!というような衝突音は聞こえなかった。貨物列車だったが、どうも先頭の方で事故が起きたらしい。その現場を見に行きたい、と思ったが、それより興味深いシーンを目にした。

 それは停車した貨車と貨車の間を、人が行ったり来たりをはじめたのだ。「ええっ!」。こんな光景は日本では見られないだろう。その前に、こうした事態なのだから、日本ならば鉄道当局や警察がまずやって来るだろう。そして、関係者以外の立入禁止措置を講じるにちがいない。それに、またいつ動き出すかもしれないから、そんな行動を起こす人々もいないだろう。

 ところが 写真右の中ほど、列車の前で立ち止まっている数人がいる。そして その左側には貨車と貨車の間を通ろうとしている人の、背中と下半身が見える。信じがたいことだが、やがて何人かがせまい路地を通り抜けるように、次から次へと往来を始めたのだ。

 警察は来ないし、鉄道関係者らしき人も現れない。事故発生によって、関係者がやって来たようすは全くなかった。そのうち、貨物列車は再び動き出した。現場検証などしないのだろうか?

ある意味でふしぎな光景だった。でも 日々好日、日々感謝。 (K.M)