(441) モンゴル日記(156)

【 農場の野草 ② 】

 

 写真左は大雑把にいうと、リモニウム(スターチス類)の仲間,近縁種らしい。モンゴルの箱根といってもよいテレルジ国立公園でも、これを見つけた。ミニ・スターチスとでも呼ぼうか。まァ、これなどは農場の草原で草丈のある方だろう。高さは30cm前後はある。だから、目立つほうだ。

 一方、写真右はナデシコの仲間、ダイアンサス属の植物と思われる。近づいて花を見たら、すぐ見当はついた。ただし、それ以上の詳しいことは分からない。

 ここでは数十分も歩きまわれば、10種類以上の花を見つけられるだろう。ただ それが何の花か,何の仲間か、という点まではなかなか分からない。植物の同定(判定)をお願いしているO先生には、こう言われた。「こんどは花の拡大写真も何枚か撮ってきてください。できれば葉の写真も」。これは植物同定では基本的な撮影術らしい。

 ところで、親友B氏に尋ねると、モンゴル全域の植物調査はまだなされていないのではないか、という。そのせいか、ウランバートル中心部にあるノミンデパートの本売り場に行っても、植物関係の書籍はほとんど目にしない。

 花のビジネスに関わっているのだが、植物分類はほとんど勉強してこなかった。だから、基礎知識もあまりない。けれど、名前を知らなくても観賞することはできる。

野生の花々に出会えるのも、モンゴルの夏の草原の魅力だ。日々好日、日々感謝。 (K.M)

(440) モンゴル日記(155)

【 農場の野草 ① 】

 

 写真左はマメ科の植物のように思えた。なぜなら、葉のつき方が日本のカラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)に似ていること。また、花がマメ科らしい姿だと思ったからである。植物分類の泰斗であるO先生に、おいでになった際にお聞きした。「たぶんマメ科でしょう」というお答えだった。けれど、それ以上の詳しいことは、現在時点では分からない。

 この植物の姿・形について記すと、背丈は低く10㎝くらいか。株はロゼットのように形成され、直径15㎝から20cmほどの円状になる。花は白く、付け根がうすく紫色を帯びる。花付きはよく、写真の株でも50個ほど咲いている。かわいらしくもあり、清楚でもある。群落をつくらず、あちこちに点在している。筆者は少し興味をおぼえた。栽培条件を考えなければ、日本でも関心を寄せる人たちがいるかも知れない。

 一方、写真右では2種類の花が写っている。黄色い花の方はキク科かなァ。でもこの葉っぱが独特だよなァ・・・。また紫色の穂状花序の方は、ちょっとラベンダーにも似ている。だとすると シソ科だが、香りも茎の形状も確かめなかった。

 植物博士のO先生からは、こう言われた。「ソウダンヤク、花や葉の拡大写真をもっと多く撮影してください。これだけでは正確な同定ができませんよ」。はい・・・。

バヤン・チャンドマン農場にいると、退屈などはしない。日々好日、日々感謝。 (K.M)

(439) モンゴル日記(154)

【 農場にて 】

 

 写真の風景には見入った。その場に立ちつくした。それはほんとうに美しく、発する言葉は「おおっ!」だけ。そして、静かな感動がやってきた。

 50haの広さをもつこのバヤン・チャンドマン農場。ウランバートルから車で2時間ほどの地だ。パートナーのソヨーチ社が所有し、樹木の養成や試験栽培の場として使っている。その夏の夜にはたいてい、こうした情景に出会える。もう2回は経験した。

 写真左の月は、上弦の月が少し進んだくらいだろうか。ときどき書いていることだが、モンゴルで見上げる月はいつも美しく味わいがある。この時もそうだった。天地に、一幅の巨大な水墨画が描かれたようだった。

 時刻は現地時間で21時半過ぎ。カメラの記録を見ると、左の月は21時35分、右の日没風景は21時38分となっていた。つまり、昇った月と日の入りがほぼ同時に見ることができる。そこに贅沢な時間が流れるのだ。

 写真右には、ゲルなどがうっすらと見える。遠くには、低い山並みがシルエットになっていた。日が没した直後である。こうした場に居合わせると、体が透きとおっていく。そして 意識がしぜんに旋回し、悠久…地球…宇宙、しまいには『神』にまでさかのぼって行く。こうした格別の風景に出会えるのも、モンゴルの草原の魅力だろう。

寒くなってきた。さあ,ゲルに戻ってウォッカを酌み交わそう。日々好日、日々感謝。 (K.M)

(438) モンゴル日記(153)

【 草原を駆ける ② 】

 

 左の写真で、丘陵の中腹に見える白いテントのようなものはゲルである。また右の写真で、正面にいる20頭ほどの集団は馬だ。仔馬を連れていることもあり、こうした群れは見ていてもあきない。

 詳しい説明は、あえて書かない。画像を拡大して、ただただ じっくり見入って、そして感じてもらえばいい。こうした悠々たる風景、大らかでのんびりした雰囲気・・・少しは伝わるだろうか。筆者などは、なぜか懐かしさのような気持ちすら湧いてくる。

 ところで、パートナーのD社長はときどき  「“いなか”へ行きませんか、カタオカさん」と、誘ってくれる。その“いなか”行きは釣りであったり、キャンプであったり、川下りであったりする。今回は農場行きだった。

 思うに、こういう時は誰よりもご本人が行きたいのだろう。彼はビジネスなどで溜まったストレスを減らすため、あるいはウランバートルを離れて気分転換を図るために、こう言い出すように思える。だいたい筆者が滞在中は、一度は声をかけてくれる。ご本人が行けない場合は、誰かに頼んで連れ出してくれる。

 しかし、「“いなか”へ行きましょう」と誘うのは、彼ばかりではない。筆者のまわりの友人,知人たちも皆、「いなか行き大好き人間」ばかりだ。この傾向は、モンゴルの人々の間ではふつうなのかも知れない。

モンゴルの草原で気分転換ができて 日々好日、日々感謝。 (K.M)

(437) モンゴル日記(152)

【 草原を駆ける ① 】

 

※この号の公開までには、モンゴルに渡っているはずだった。しかし、予定したオランダのチューリップがトラブルで、結局モンゴルに輸入できなくなった。そこで急きょ、日本産チューリップを使うことにした。

 その準備と手続きのため、あちらに行くのは2月の中旬になろうか。それでしばらくの間、昨年の夏に撮影した“モンゴルらしい風景”をご紹介する。

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 写真左はパートナーのD社長が運転するベンツの、後部座席から撮影したものである。追い越しをかけているところだ。彼は遅い車が前にいると、まず抜いて行く。これは何も彼に限ったわけではない。もちろん速度制限などはない。

 ウランバートルの市街地を西の方に抜ける。すると、やがて丘陵と草原が広がってくる。道路は幹線なのだが、簡易舗装だ。標識や車線,側溝などはない。目的地はバヤン・チャンドマン農場。

 出発したのが現地時間で17時過ぎ。日本の感覚でいうと、すでに夕方だった。そして、2時間ほどクルマを走らせる。道中、草を食む家畜にたびたび出会うようになる。

 写真右は休憩のために、D氏が愛車を草原にとめた時の風景である。遠くに羊や牛の姿が見える。

こうした風景と空気がとても心地よいモンゴルなのだ。日々好日、日々感謝。 (K.M)