真っ青な空,電線・・・何の変哲もない風景だったが、さわやかな朝だった。その電線にちょこんとムクドリが2羽止まっていた。
暖かくなると見かけることが多いこの賑やかな鳥は、子供の頃から知っていた。同じ新潟近辺でも筆者の生まれ育った地域では、方言でムクドリを“ヨノ”と言っていた。しかし、当地に来たら“ギャラ”と呼ぶ。何やら出演料みたいだが、あのギャアギャアという鳴き声を連想させるようで面白い。
ところで小学生の頃、ムクドリには悪い事をしたと思う。それは仲間とムクドリの巣を探しては、そこにいる幼鳥を誘拐した。幼鳥を家に持ち帰り、竹篭に入れて飼うためである。その頃、野鳥を捕まえて飼うことが流行していたように思う。好きな連中はムクドリに限らず、メジロ等も飼育していた。筆者はそこまではしなかったが、何か面白みを感じたのだろう。誘われればその幼鳥ハンティングについて行った。
巣は新潟平野のあちこちで見られた「はさ木」にあった。「はさ木」は刈った稲を乾燥するために用いた、トネリコの列植である。そのトネリコの木の‘うろ’の中によく作られていた。それらの巣穴は危険を避けるため、たいていは上の方にあった。しかし、子供なりによく学習し、巣穴がありそうな木に目星をつけて登ると、たいていは数羽の幼鳥か雛がいた。そして、子を連れ去ろうとすると、親鳥が子をさらわれまいとして、しばしば必死になって周りで飛び騒いだ。
その後 中学に進むと、さすがにこんな事はしなくなった。けれど今でもムクドリに出会うと、あの頃の記憶が贖罪意識と共に甦る。
騒がしい鳥でも、出会えば 日々好日、日々感謝。 (E.O)
