マユハケオモトの赤花である。園芸業界では時々あることだが、赤花とは言っても実際の花色は薄いピンクである。
さて、この花は見た目にちょっと奇妙な印象を受ける。それは普通の植物に比べ、雄しべが異常に多いせいだろう。この和名を漢字で書くと、「眉刷毛万年青」となる。なかなか読めないかも知れない。が、優雅な名前ではある。この和名は、ビッシリと生え出ているその雄しべが、ちょうど眉を描く刷毛のように見えることから付けられたという。
ただしオモトと呼ばれてはいるが、植物分類上はオモト(万年青)の仲間ではない。葉がオモトに似るから、こう呼んだのだろう。オモトはユリ科オモト属なのである。
それに対して、このマユハケオモトはヒガンバナ科ハエマンサス(ハエマンツス)属の一種なのだ。正式な学名を記すと、Haemanthus albiflos Jacq.である。原産は南アフリカであり、多くの栽培されているヒガンバナ科植物と同じく、球根植物なのである。
ところで、この花の雄しべだが、数えてみたら70本までは確認できた。やはり、だいぶ多いのだ。花色については、マユハケオモトの普通種は白花である。ところが 前述したように、この花はピンクなのである。だから、絶対数は少ないらしい。
また写ってはいないが、葉は豪快というかオバケみたいというか、厚くて幅広く丸っこい。大きなものは幅が25cmもあった。中にはそり返っている葉もある。だから、美しい葉というより面白い葉と言うべきか。
その名前だけではなく、花も葉も個性的な秋咲き鉢花の珍品である。
奇妙な花でも、やはり花があれば 日々好日、日々感謝。 (E.O)
