(13) 稲荷さんにも舞妓はんが… (京都で-②)

伏見稲荷の舞妓はん

 前回(12)の続きになるが、同じ伏見稲荷でのことである。今年そこでおみくじを引いたら、5年ぶりに再び大大吉を引き当てた。その事は先に述べた。

 
 そのおみくじを引く前に本殿にお参りしたのだが、この時すでに舞妓さんが二人、輝くような衣装でそこに立っていた。京都での学生時代を含め十回以上はここを訪れていると思うが、舞妓さんを目にするのは初めてである。その艶やかな姿は、まわりの朱塗り建築に負けてはいない。彼女たちのうち一人は黒地の振袖と薄黄色のだらり帯、もう一人は薄緑の振袖・青紫のだらり帯であった。原色系ではないが、存在感のある色調と彩りである。だから彼女たちの着物姿は、強烈な朱色世界の中で自己主張しているかのように見えた。そんな色彩の絵模様を目の前にし、一瞬まばゆい感覚すら覚えた。 ところで、彼女たちが本殿から奥に進むにしたがって、行き交う外国人たちの多くは彼女たちに視線を投げかける。中には足を止め、カメラのレンズを向ける人も少なくなかった。

  けれど、これには後日談があった。知り合いの京都人がおっしゃるには、最近は単に衣装だけ見たのでは舞妓さんかどうか分からないという。ときどき撮影用や観光体験型のインスタント舞妓さんもいるらしい。 まア仮に本物でなかったとしてもいい。正月に大大吉と舞妓はん…なかなか得がたい経験をした伏見稲荷参拝だった。 

日々好日、日々感謝。  (E.O)