(183) 台所のアマリリス

アマリリス写真・画像

 花以外のむさくるしい背景は気にしないでほしい。台所に置いていたアマリリスの花が、数週間にわたって咲き続けた。直径15cmほどの大輪の白花が四つ。中心部が薄緑を帯びた優美な花だった。

 こうしたアマリリスの栽培セットが日本に入って来てから、もう20年くらいは経つだろうか。もうすっかり定着したようである。最近は、米国からの輸入品もあるようだ。

 しかし、もともとはオランダで詰められ、わが国に輸入されたのが最初だろう。現在でも、量の上ではオランダ産が多いと思う。価格も当初よりはだいぶ安くなってきた。この球根も、あのお馴染みの風車の絵が描かれたプラスティック容器にはまっていた。だから、きっとオランダ産だろう。

 今回、意外にも分かったことがある。それは、これら四つの花の咲く順番である。まず一花が咲く。その次に開いたのは、左右ではなく正反対の位置にある花だった。同様に、残りの二花のうちどちらかが咲いたら、今度はまたその向かい側の花が開いてくる。つまり、十字を描くように咲いてくるのだ。

 もう一点、気づいたことがある。それは植物との物理的距離と人の心理的距離である。この花は筆者が毎朝動き回る台所に置かれ、その位置は手が容易に届く所にあった。また、花の高さもちょうど筆者の顔と同じくらい。おまけにあの花の大きさである。だから、毎朝この花が目の前にあって、対話をしていたようなものである。やはり植物との距離が近いほど親密度が増す。

朝食づくりの友であったアマリリスよ、ありがとう。日々好日、日々感謝。 (E.O)