【中央県へ ③】
クルマは雪原のハイウェイを走りつづけた。しだいに積もった雪が少なくなってきたろうか。やがて左側の方に、高くはないが山々も現れてきた。白と褐色の平原に高低が加わった。さらに進むにつれて、集落もぽつぽつ見えてきた。写真左がその風景だ。この辺ではウランバートルと違い、空気が澄みわたっていた。
そして、そこに登場したのが遊牧の民である。一頭の馬を引き連れて、路傍をゆっくり進んできたのだ。彼はかぶっていた帽子をとると、若者だった。馬は小形なので、おそらくモンゴル馬なのだろう。一瞬、彼が童話の世界からやって来たような錯覚をおぼえた。
ドライバーのUさんは車を止め、降り立つ。そして、しばらくその遊牧民と話し込んでいた。写真右である。・・・レクサス,雪原の広がり,そこを突き抜ける新設道路,馬にまたがった遊牧民。ほんの一時だが、自然と文明,現代と中世、そんな抽象的なテーマを思い浮かべた。
それはまた詩情に富む、なかなか面白い風景でもあった。日本では決して体験できないことだろう。うっすらと雪におおわれた枯れ草の草原で、異質なもの同士が出会ったシュールな世界!
そして 去って行くその遊牧民の、哀愁を帯びた後ろ姿を見ながら、現実に戻った。新空港の建設現場まで、あとどれくらい時間がかかるのだろう?
やはり、モンゴルでしか体験できないことがいくつもある。日々好日、日々感謝。 (K.M)

