【 北モンゴル最奥部を訪ねて23 】
上の写真は休憩のとき、草むらにいたバッタである。この他にも数種類のバッタがいた。中には五角形のような背中をして、その色が地面と似ていて,なかなか見分けがつかないヤツもいた。けれど,この連中は特徴が際立っていた。
彼らはシャキシャキッというような音を出しながら、飛ぶのである。跳ぶのではない、飛翔するのだ。その飛行距離は長いと、数十メートルに及ぶ。また,その高さも5,6メートル以上に達する時もあった。とくに風に乗った場合など、百メートル以上の”最長不倒距離”を記録する猛者もいた。
体長は3,4センチ、体の色彩・模様はさまざまだった。背中の色が薄茶色もいれば、薄緑も灰色もいた。また模様は縦じまが多かったが、中には点々や模様がないモノもいた。実に多様なのだ。ただ厳密に言って,彼らが同一種かどうかは分からない。
この飛行バッタ、目的地のキャンプの周囲にもたくさん生息していた。そこで、彼らの飛ぶ姿を撮影しようと何度か試みたが、果たせなかった。
下の写真はその休憩後、再び走り出したら見えてきた風景だ。どうやら,この辺りから山の様子が変わってきた。草すら生えないような山肌で、すべすべした岩が露出しているように見える。しばらく忘れていた筆者の頭部のことを、つい思い出してしまった。
楽しいけれど、目的地にはいつ着くのだろう。時々気がかり、時々忘却。 (K.M)